今回の歌舞伎座、21日(金)には二部と三部、22日(土)には一部と三部を観劇。明日には帰阪する。
今回の歌舞伎は予想以上に充実していた。とくに第三部を二度もみれたこと、それも三階席と一階席でみれたことは収穫だった。まったく「景色」がちがうので、別演目をみているような気がしてしまう。どちらもそれぞれのアドヴァンテージがある。東京に住んでいればそれも可能なのだと、悔しい。
もっとも目立っていたのはさすが!勘九郎。なんとも優れた役者になられた。まったく危なげがない。それと同時にお父様の洒脱さをおどろくべき正確さで継承、しかもそれを無理なく自分のものにしている。この人には毎回感服させられる。先月の『阿弖流爲』にはやられた。今月のもあらためてその成長振りというか大物ぶりを認識させられた。それになんとさわやかなこと!
そして彼といい勝負だったのが、やっぱり巳之助。とくに『祇園恋づくし』のつっころばし、唸った。なんかずれた奇妙さ、妙に存在感があるんですよね。それが勘九郎の江戸っ子的「まともさ」、「気風のよさ」といい勝負をしているさまは、みていてうれしくなってしまった。わかる人には判る。三階席ではあまりぴんとこなかったけど、今日は1階前から4列目の花道隣接の席だったので、ありありと分かった!
以下にこの『納涼歌舞伎』の全演目と役者のリストを上げておく。
第一部
一、おちくぼ物語(おちくぼものがたり)おちくぼの君 七之助
左近少将 隼 人
帯刀 巳之助
阿漕 新 悟
牛飼の童三郎 国 生
兵部少輔 宗之助
典薬助 亀 蔵
北の方 高麗蔵
源中納言 彌十郎十世坂東三津五郎に捧ぐ
二、棒しばり(ぼうしばり)
次郎冠者 勘九郎
太郎冠者 巳之助
曽根松兵衛 彌十郎第二部
一、ひらかな盛衰記(ひらかなせいすいき)
逆櫓
船頭松右衛門実は樋口次郎兼光 橋之助
畠山重忠 勘九郎
女房およし 児太郎
船頭日吉丸又六 国 生
同 明神丸富蔵 宜 生
同 灘芳九郎作 鶴 松
漁師権四郎 彌十郎
お筆 扇 雀
銘作左小刀
二、京人形(きょうにんぎょう)左甚五郎 勘九郎
女房おとく 新 悟
娘おみつ実は井筒姫 鶴 松
奴照平 隼 人
京人形の精 七之助第三部
十世坂東三津五郎に捧ぐ
一、芋掘長者(いもほりちょうじゃ)芋掘藤五郎 橋之助
友達治六郎 巳之助
腰元松葉 新 悟
魁兵馬 国 生
菟原左内 鶴 松
松ヶ枝家後室 秀 調
緑御前 七之助
二、祇園恋づくし(ぎおんこいづくし)大津屋次郎八/女房おつぎ 扇 雀
指物師留五郎 勘九郎
芸妓染香 七之助
手代文吉 巳之助
おつぎ妹おその 鶴 松 ※
持丸屋女房おげん 歌女之丞
岩本楼女将お筆 高麗蔵
持丸屋太兵衛 彌十郎
iPadが壊れてしまい、ラップトップをもってくるのも重さで敬遠。今回はホテルのPCを借りた。なんとも使いにくいPC。ここまで打つのが至難の業。カーソルが問題だとわかって、コントロールパネルのマウスで調整したのだけどまだしっくりこない。やっぱりパソコンはアップルだと再認識。iPadにひどい目にあい、AirMacを壊してしまったけれど、やっぱりアップル。Windowsがいかにユーザーにunfriedlyかがよくわかる。それになによりもいけないのはそのダサさ(美的センスの欠如)。