去年の9月から4ヶ月間カナダに留学していた1年生の学生が帰国した。経営・経済両学部の「グローバルプログラム」の一環ということなのに、まるでそれ自体が問題でもあるような扱い。語学関連の学部では向こうでの「語学研修」の単位が認められるのに、経営・経済学部の「語学留学」では単位はそのままでは認めないという。というわけでこのプログラムがスタートした2008年時点から帰国した学生への「補講」20コマが専任教員によって行われていた。
2013年度からその補講を55コマにするという。留学前に20コマ、帰国してから20コマ。それにゼミの補講15コマ分を加えて計、55コマ。留学前の20コマは同僚のアメリカ人教員と割り振った。問題はこの1月から。帰国学生への補講を35コマ実施しなくてはならない。5コマはアメリカ人教員に担当してもらうことにしたのだが、あとは全部私がやることになった。1月は31日まで授業期間。しかも後期は朝から午後まで木曜日を除く毎日授業が入っているところに、この補講を入れて行く。それでも足らないので、2月10日まで入れざるを得なくなった。後期の試験監督の合間を縫ってである。帰国学生も大変だが、私も大変。結局、2月のアメリカのポップカルチャー学会での発表を諦めざるを得ない。プログラムに名前が載っているのにやめたのはこれが初めて。もうやっていられない。
こういう馬鹿げたことがどこからの発案なのか分かっているのだが、もう口をきくのも厭なので問い質してはいない。辞めることにしてつくづく「正解」だったと思う。ただ学生へのここまでの負担はあんまりなので、来年度からは1年生の語学留学は推奨しないことに決めた。その代わり2年生以降の正規の交換留学プログラムに乗せることにした。1年生の前期の英語の授業も履修する必要がないように、それも経済学部の英語教員に任せないように組み替えた。ここまでは出て行く私の責任でもあるから。
教員も事務的な帳尻合わせに走るようになればおしまいである。そんなのは事務職員の方がはるかにうまくやるのだから。「20年(!)以上論文も書かない、発表もしない」ことの「イイワケ」にこちらに逃げ込んでいるのだと思う。己一人でそれが済めばいいのだが、問題は学生を巻き込むことである。学生も教員の本質はけっこう察知していて、それなりに逃れる術を身につけてもいる。ひとつ利点を挙げるとするなら、そういう人種からどう身を護るかを学ぶことを若いうちにできるということか。
私はそういうオバカと一緒はもう御免。「I have had enough!」である。ただ今もこの気の狂わんばかりの忙しさが継続中なので、毎日怒りながらの生活。身体に良くないだろうな。