yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

NHK 日曜美術館「故郷の海を彫った男 石巻の彫刻家・高橋英吉」3月17日放送

番組の詳細は以下。

出演
小栗康平さん(映画監督)
三上満良さん(宮城県美術館・学芸員)

2年前の東日本大震災。宮城県沿岸部を襲った津波が、石巻文化センターを飲み込んだ。学芸員1名が行方不明となる壊滅的な被害。そのがれきの中から救い出された地元・石巻出身のある彫刻家の作品が、静かな話題を呼んでいる。
高橋英吉(1911−1942)。その木彫作品に刻まれているのは、潮風に向かって立つ漁師、漁の合間に安らぎのひとときを過ごす男たちなど、海と共に生きる人々の姿。木肌を走る自在なノミ跡が、海のさざ波や潮風を映すようだと評されるその作品には、31歳で戦死した彫刻家の故郷への思いがあふれている。
修復された英吉の作品は、今、仙台市の宮城県美術館で展示され、未だ鉄道の完全復旧が進まない石巻から、バスを乗り継ぎわざわざ作品に会いに来る人々が絶えない。
彫刻がつなぐ故郷の記憶。ようせつしたひとりの彫刻家と、石巻の人々が紡いできた知られざる物語を紹介する。

映画監督の小栗康平がまだガレキが残る石巻の海岸を歩いている。春未だ来、震災はまだ現在進行形で生々しい。その場面が転じて今日のテーマ、高橋英吉の彫刻が映し出される様は感動的である。震災の傷跡の過酷さを捻臥すかのような、力強い男の裸体像である。石巻文化センターに展示されていた高橋の作品は津波に呑み込まれ、手ひどい被害を受けた。それを救い出し、今、修復作業が進んでいる。彼の作品中でも、その圧倒的存在感で視る者を引き込むのが、「海の三部作」といわれる彫像群である。三体とも彼が捕鯨船に乗り込んだ三ヶ月間の体験が生かされている。彼は捕鯨船で実際に労働したのだ。その折に目にした海の男たちを彫り上げたのである。

司会の森田美由紀さんは「潮音」という作品にとりわけ感心していたが、たしかにすばらしい。

もう一つ、男が別の男のひげを剃ってやっている様を彫ったものも、すばらしい。

どちらもNHKサイトから拝借したが、色がかなりひどい。テレビに映ったものの方が、ずっとよかったが、それでも実際の彫像には劣るに違いない。

昭和15年に出征、ガダルカナルで戦死した。あまりにも若い死。最期に彫った作品である小さな「不動明王像」は、大きな彫像とは違った意味で、強烈なインパクトがあった。今は宮城県美術館に展示されているので、わざわざ石巻からやってきた婦人が涙を浮かべて見入っていた。震災の記憶と彼の最期が重なってみえた。

来月14日まで宮城県美術館に展示されている。行きたいが、今回は無理だろう。残念。次の機会に、石巻でみたい。