yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

常盤新平著『池波正太郎の東京・下町を歩く』ベスト新書

ああ、ここにも「池波病」の人がいる。

どうしても池波正太郎が言及している場所に行き、彼のお気に入りだった店に立ち寄ってみたいと、いてもたってもいられなく(?)なった。で、今月の三週目の土・日・月と東京へ出かけることにした。もちろん彼のエッセイは何冊かもってゆくけど、土地勘がないので、その手の本がないかと探していて、この本に出会った。常盤新平さんが、あの英米文学の翻訳家の彼が池波病だったとはちょっと驚いた。でも納得。なんともダンディ、オシャレだという共通点がお二人にはあるから。

東京下町、とくに池波生誕の地、浅草、それと子供の頃の彼のテリトリーだった深川、日本橋、両国辺りがカバーされていて、現在の状況もよく分かる。かなり様変わりしていて、がっかりではあるが。忘れてはならないのが、株屋の小僧をしていた池波少年がいたく感激した銀座の資生堂パーラーで食事をすることである。一度だけずいぶん昔にお茶をしたことはあるが、食事をしたことはない。ちょっと敷居が高かったおぼえがある。銀座は以前に毎月のように歌舞伎座詣でをしていたので少しは知識はあるけれど、それでも去年久々に三越界隈をウロウロしてその変貌ぶりに驚いたものである。でも浅草、深川ほどではないだろう。

ちょうど国立劇場三津五郎が『塩原多助』を公演しているので、こちらのチケットも取った。また新国立劇場では森山開次の「曼荼羅の宇宙」公演もあるので(当日券を買うしかないだろう)行くかどうか思案中。森山開次公演は12月の東京芸術劇場での「嘘発見器」をみるつもりなので、無理なら止めようと思っている。メインな目的は池波ゆかりの地をめぐるということなので、欲張って「二兎追うものは一兎をも得ず」にならないようにしなくては。