本をばらして、ページをスキャンにかけ、PDFファイルでデジタル保存するのを「自炊」ということを知りました。いい得て妙ですね。英語のサイトではギロチンにするとありました。これは過激!でも分かる。
インターネットには「自炊」について豊富に情報が載っています。カッター、スキャナーの優れものの紹介もありますので、気持ちは大きく動いています。かなりの初期費用はかかりますが、その投資に見合うだけの価値はあると思います。カッターの方が品切れのようですので、少し待たねばなりませんが。
引越しのたびに本の運搬に悩まされました。100箱近い量は運送屋さん泣かせでした。それで、前回の引越しのときにかなりの本を捨てました。そして2年前の引越しの折にも泣く泣く本を処分しました。ブックオフにもってゆくだけの時間がなく、普通ごみで捨てたのですが、今思い出しても胸が痛みます。
捨てるのかギロチンにするのか、どちらも過激なので選択は厳しいのですが、どちらかにしなくてはマンションの大きなスペースを本が占領してしまうことになります。それも一回読んだきりのものがほとんどです。私の場合は英語の本が圧倒的に多く、日本の図書館には在庫がないので、増えてゆくのをなすすべもなく放置していました。引越しで捨てたのはすべて日本語の本です。これらは日本にいれば、どこかの図書館にはあるはずのものでした。
こういう時にもついアメリカとの比較をしてしまいます。私の行っていたペンシルバニア大学の図書館で本文献を入手するのはわけもないことでした。これという研究書はほぼそろっていましたし、ない場合はハーバード、プリンストン、コロンビア、コーネルといった大学から2,3日でペン大の図書館宛に送ってもらえました。「インターライブラリーローン」というのです。また、近隣の公共図書館からも送ってもらえました。博士論文を書くとき、これでどれだけ助かったことか。日本の大学間でも一応システムとしてはあるのですが、手続きは煩雑で「するな」といわれているようなものです。送ってもらった本はアメリカの場合借り出すことができましたが、日本の場合はその場で見ることしか出来ません。それじゃ意味がない!研究成果で大きく差をつけられている原因はそういうところにもあるような気がします。というわけで、洋書は自腹を切って買うしかなかったのです。買って中をみてがっかりということも多々ありました。アマゾンのおかげで(創始者、CEOのベソスさんにはどれほど感謝していることか!)本を入手するスピードが以前と比べられないくらい速くなったと同時に、最近では中身をみることができるので、買ってから「失敗」とがっかりすることが減りました。また、これもアメリカのサービスですが、本や論文をデジタルで読めるサービスを利用して、出来るだけ本を増やさない工夫をしています。
日本語の本、雑誌等は自炊して、検索可能にしておこうかと考えています。手持ちの本のかなりが減ります。あとは本の解体という過激に作業に、私自身が精神的にどこまで耐えうるかでしょう。