yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

玉三郎哲学が立ち上がってくる『伝心~玉三郎かぶき女方考』京鹿子娘道成寺(NHK再放送)3月5日

迂闊なことに、1月放送の最初のものを見逃している。だから、遅ればせながらもこの放送がみれたことは幸運だった。シネマ歌舞伎で「京鹿子娘五人道成寺」を1月にみて感動したばかり。いずれもが「稀代の女方役者、坂東玉三郎集大成」の環のひとつ。この「伝…

「羽生結弦選手が(パフォーマンスも)なぜ美しいのか」

「羽生結弦選手のパフォーマンスがなぜ美しいのか」を「分析」している本が本屋に平積みになっていた。そこの中の一節に引っかかった。「彼の演技が能や狂言を使っているのかもしれない」(表現は違っていたが)っていうものだった。能と狂言は目指すところ…

「新米刑事モース~オックスフォード事件簿~」(原題「Endeavour」)第一話「華麗なる賭け/ある晴れた日に」

先日、たまたまNHK BSで放映されている第二話「Case2 泥棒かささぎ」を途中から見て、魅入られてしまった。「新米刑事モース~オックスフォード事件簿~」は以前に放映されたコリン・デクスター原作「主任警部モース(Inspector Morse)」(1986-2000)シリ…

プッチーニ作曲 オペラ『トスカ』METライブビューイング@神戸国際松竹2月20日

以下、松竹サイトからの演目紹介。 指揮:エマニュエル・ヴィヨーム 演出:デイヴィッド・マクヴィカー 出演:ソーニャ・ヨンチェヴァ(トスカ)、ヴィットーリオ・グリゴーロ(カヴァラドッシ)、ジェリコ・ルチッチ(スカルピア)、パトリック・カルフィッ…

天が降臨——羽生結弦選手が「SEIMEI」でオリンピック二冠!

NHKのSP実況解説で「異次元の強さ」という素敵な句で表現された羽生結弦選手の演技、それはそのままこのフリーでの演技にもいえる。もう一つ付け足したい。「異次元の美」を。神がかり的強さと美しさと。羽生結弦選手をおいて、この二つをフィギュアスケーテ…

松岡心平氏の「復曲能『吉備津宮』」解説がエキサイティング@京都観世会館2月12日

まず、松岡氏の話が桁外れに面白かった。去年の談山神社での大槻文蔵師の演能後にちょっとしたコメントをされたことしか、彼のトークを聴いたことがなかったので、これは「予想外」だった。聴くたびにうんざりする「能評論家」のM 氏、A氏等の、どちらかとい…

林宗一郎師の挑戦に感動—復曲能『吉備津宮』京都公演—桃太郎伝説の深層@京都観世会館2月12日

あまりに感動したので、かなりラフな感想になるけれどもレポする。「復曲への道のり」と題したネット記事に何回かに分けて復曲への過程が記されれている。今日、林宗一郎師と松岡心平氏が語られた「解説」は、まさにこの長く複雑な過程を短い時間に纏めたも…

虚構の劇団 第13回公演 『もうひとつの地球の歩き方』@ABCホール2月3日

「AI」、「シンギュラリティ」等の未来を先取りする、あえていえば担保にする概念、それと現代に生きる若者たち、さらには過去に「生きた」天草四郎を結びつけようとする試みはそれなりに面白かった。そのようなフューチャリスティックな事象を現代に私たち…

『エンジェルス・イン・アメリカ』(Angels in America)in「ナショナル・シアター・ライブ」@大阪ステーションシティシネマ 2月2日

ユダヤ系の劇作家、トニー・クシュナー作。今では不治の病ではなく、コントロール可能な病になったエイズ(後天性免疫不全症候群)。エイズがキーファクターになっている本作品は、エイズが猛威をふるっていた1980年代終わりが舞台。舞台版Angels in America…

玉三郎と勘九郎の組み合わせが最高だった「二人椀久」(シネマ歌舞伎)@なんばパークスシネマ1月23日

傾城松山太夫を玉三郎が、椀屋久兵衛を勘九郎が踊った。これ以上ない組み合わせ。これをみて、松山太夫を誰が演じるかが、非常に大きな意味を持つことを理解した。夢幻の世界が舞台を覆う。夢幻界の主は松山太夫。松山恋しさのあまり狂ってしまった椀久、彼…