yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

梅若実師の『羽衣』in 「第九回和のしらべ 武家の式楽 宮中の式楽」@湊川神社神能殿 3月2日

この催し、「武家の式楽 宮中の式楽」の最後が梅若実師の『羽衣』だった。以下が演者一覧。

 

シテ 梅若 実     
ワキ 福王茂十郎 福王知登  喜多雅人

笛  貞光訓義  

小鼓 成田達志  

大鼓 山本哲也  

太鼓 上田慎也  

地謡 上田貴弘  上田拓司  吉井基晴  上田大介  

   藤谷音彌  林宗一郎  林本 大  笠田佑樹

後見 山本博通  山崎正道

杖をつかれての登場にまずおどろいた。橋掛かりの三の松、一の松でしばらく逗留する場面では身体がかなりグラグラしておられた。すり足もすり足に見えないほど危なっかしい感じで、見ていてハラハラしてしまった。声はさすが実師、いつもながらに艶やかではあったけれど、弱々しい感じは否めない。本舞台での舞も実師独自の力強さに欠けていた。病からの復帰ということで、多少の心配はしつつも、いつもの実師の演技を見ることができると思っていたので、がっかりしたのは事実。

お囃子方を除く他の演者の方々が、そちらに視線を向けておられなくとも息を呑んで実師の所作を見守っておられるのが伝わってきた。舞台の「息」がそちらの方に合ってしまっていた。

ずっと以前に組まれたプログラム。私もそうだったように多くの人が実師目当てでこの会に参加したことだろう。だから責任上、「欠場」とはできなかったのだと推察している。病から立ち直った姿を披露し、それを祝うという趣旨での今回の舞台だったのだろう。その意味では、姿を拝見できて、ラッキーだと考えている。

公演終了後の神能殿の様子。まず、正面鏡板に描かれた影向の松。この能舞台は大曲にあった観世能楽堂を移設したもの。

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場内

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能帰りの人たちが散見される湊川神社参道

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