yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

梅若実師の能『翁』@観世能楽堂 in 「NHK 古典芸能への招待『四世梅若実 芸の魅力』」

いくつかの断章(断片)のみの放映だった。残念。フルバージョンが放映されることを期待している。

梅若実師の『翁』は初めて。ちょっと意外な感じだけれど、襲名の祝い事の一環としての演能なので、当然なのかもしれない。『翁』を見たのは2年前の正月に八坂神社で金剛流宗家、金剛永謹師が舞われたのが最初である。そのときの三番叟は茂山茂師。その後見をされていたのが茂山あきら師とご子息の茂山童司師だった。シテよりもこちらの方が印象に強く残っている。二回目は北野天満宮でのものだった。

この番組の演者は以下。

(翁)梅若実

(千歳)観世喜正

(三番叟)山本則重

(面箱)山本則秀

(笛)藤田六郎兵衛

(小鼓頭取)大倉源次郎

(脇鼓)古賀裕己、(脇鼓)清水和音

(大鼓)亀井広忠

(後見)梅若長左衛門、松山隆之

(地謡)山崎正道、鷹尾章弘、角当直隆、山中が晶、川口晃平、内藤幸雄

(狂言後見)山本則俊

(狂言後見)若松隆

笛の藤田六郎兵衛師と小鼓の大倉源次郎師の競演を見たかった。残念。演者を見る限り、関西勢は無し?地謡はすべて梅若の方々なんだろう。これも聞きたかった。

『翁』といえば演能途中に舞台上で面を付けるのだけれど、これはちょっと違っていた?「談山式 日吉之式」と小書が二つもついているので、普通のものとはかなり異なっていたのだろう。

違っているといえば、間に「乱拍子」が入ったのもそうらしい。能史の最初の乱拍子だとか。これも一部は放映されたのだけれど、フルで見たい。撮った写真はピンボケも甚だしいけれど、感じだけでも。

梅若実師といえば、新作能を意欲的に発表しておられるので夙に有名。でも、この番組中のインタビューで興味深い表明をされていた。とくに印象に残ったのが、「古典は大切。新作をやる場合は、古典として考えてやっている。新作だからと行って新しいことをしようとはサラサラ思っていない」という表明されたこと。さらに、「能は六百何十年という時間をかけて(出来上がって)きた。その中で僕の(独自の)新作ができればいいな」ともおっしゃっておられた。そういえば昨年の漫画を素にしたという『紅天女』も、まるで「能」まんまでしたものね。

以下にかなりピンボケの舞台写真を。感じだけでも。

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