yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

映画『真田十勇士』@109シネマズ大阪エキスポシティ9月26日

映画公開は同名の舞台とのパラレルになっている。舞台の方は気づくのが遅く、5日前にやっとチケットを取ったところ。10月14日から22日まで兵庫県立芸術文化センター大ホールに乗る。

以下、映画版の作品サイトより。

関ヶ原の戦いから14年。天下統一を目前にした徳川家康と、復権を狙う豊臣家の対立が深まっていた戦国の世で、“天下に並ぶ者なし”の名将として、世間から尊敬を集めていた男、真田幸村(加藤雅也)。しかし実はこの幸村、その男前な容貌と、偶発的な幸運の連続によって勝ちを拾ってきただけの、気弱な〈腰抜け男〉だったのだ!

実像と虚像の違いに悩んでいた幸村はある時、猿飛佐助(中村勘九郎)と運命的に出会う。忍者の里から飛び出してドデカいことを成し遂げたいと思っていた佐助は、幸村を担いで「本物の天下一の英雄に仕立て上げようじゃないか!」と、同じ抜け忍の霧隠才蔵(松坂桃李)を筆頭に一癖も二癖もある十人の男たちを集め、世にいう《真田十勇士》を誕生させる!

亡き秀吉の妻・淀殿に呼び寄せられた幸村、そして十勇士たちは、またたく間に徳川との最終決戦の最前線に立つこととなった。戦国最後にして最大の戦い、徳川対豊臣の〈大坂の陣〉がついに幕を開ける!

ついに明かされる“真田丸の謎”、佐助と才蔵を狙う、くノ一(女忍者)の火垂(大島優子)との“因縁”、淀殿と幸村の禁断の“秘密”、そして勝つ事は不可能とも思える圧倒的に不利な徳川との戦いで、佐助と十勇士が企てた驚愕の“大仕掛け”とは・・・。徳川軍二十万VS十勇士、時代を変える《大逆転》がいま、始まる!!

監督
堤幸彦
脚本
マキノノゾミ
鈴木哲也

キャスト
猿飛佐助  中村勘九郎
霧隠才蔵  松坂桃李
火垂(ほたる)(くノ一)  大島優子
真田幸村  加藤雅也
淀殿  大竹しのぶ
根津甚八・豊臣秀頼  永山絢斗 
由利鎌之助   加藤和樹
筧十蔵 高橋光臣
仙九郎(徳川忍者) 石垣佑磨
三好清海   駿河太郎
海野六郎  村井良大
三好伊三  荒井敦史
望月六郎  青木健
仙九郎(久々津衆の戦士)  石垣佑磨
徳川家康   松平健 特別出演
真田大助   望月歩
久々津壮介  伊武雅刀
後藤又兵衛  佐藤二朗
柳生宗矩  野添義弘

監督 堤幸彦
脚本 マキノノゾミ

主題歌 松任谷由実

逆転につぐ逆転で、最後に究極のどんでん返しが。大坂夏の陣を撮るのに何百人というエキストラが必要だったそうだけど、それは舞台ではどうなるんだろう。豪華絢爛。「何がか?」というと戦闘シーンが。勘九郎を始め若い役者たち。「戦場」を嬉々として走り回っていた。またグロテスクな場面も多々あり、R指定なんでしょうか(すでにしている?)。もっとも何か絵空ごと的な見せ方なので(絵空ごとなんですけど)、そう抵抗はないのかもしれない。男性は喜ぶかも。

ストーリー的には、最後のどんでん返しにちょっと引いてしまった。もちろん絵空ごとなんだから、奇想天外は「覚悟」の上。でも文学としての許容範囲をいささか越えでてしまっていたような。貴種流離譚的な展開を狙ったのかもしれない。例えば『国性爺合戦』のような。想像するに舞台だとこれも面白いかだろう。でも映画にすると、先ほどの戦闘シーンにも言えることだけど、「やりすぎ」感が出てしまう。映画特有のリアリズムが立ってきて、荒唐無稽さが「取って付けた」ように感じられてしまう。

勘九郎は父、勘三郎的な、あえて言うなら「平成中村座」的なスペクタルを意図していただろう。でもちょっと空回り。舞台がそこのところをうまく処理していればいいんだけど。

『阿弖流爲』の時と違っていたのが、やっぱり役者陣。タレント級の人との決定的差は埋めようもない。無い物ねだりを承知で言っているんですけどね。舞台の方も映画版の俳優と大差ないので、かなり心配。こういう時に歌舞伎役者の凄さを思い知らされてしまう。

淀殿を舞台では浅野ゆうこ、映画では大竹しのぶ。何かしっくりこない。大竹しのぶの淀殿はいただけなかった。表情といい、口をゆがめた喋り方といい、ただ気張っているようにしか見えなかった。何といってもあの美しいお市の方の娘とは到底見えない。品がない。彼女の出演は勘九郎のお父上への「義理」のようなもの?大竹の淀殿と同じくらい辟易したのがAKB(?)の大島優子。有名なタレントらしいのだけど、彼女が出てくると場がしらけてしまう。

幸村役の加藤雅也もあまり魅力的ではなかった。こちらはリアリティがありすぎだった。これもある種の無い物ねだりなんですけどね。演出の問題もあると思う。

勘九郎がいいのは当然として、才蔵役の松坂桃李が思いの外よかった。