yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

『超高速!参勤交代』と続編の『超高速!参勤交代 リターンズ』

予告編で「超高速!参勤交代 リターンズ 」を知って、公開直後に見に行った。内容が「リターンズ」ではない方の「超高速」を見ていないと、すっきりしないところが多々あったので、一昨日huluでこちらも見た。いずれもエンターテインメントのツボを心得た作品だった。時代劇というより現代劇。その点では『殿、利息でござる!』との共通点が多くあった。いずれの作品も社会風刺が効いていて、ユーモアの精神と抱き合わせの「穿ち」の精神に、「やるじゃない!」と何度も膝を打った。時代劇の復活を訴えていた四代目猿之助が、「超高速」のいずれにも出演しているのも、頷けた。

皮肉のレベル、もしくはひねりのレベルでは『殿、利息でござる!』の方が難易度は高い?もっとも「超高速」の方は皮肉よりも笑いの方により重点が置かれているので、当然かもしれない。『殿、利息でござる!』は対決すべき「悪」が官僚体制の中に組み込まれた形で見えにくいという点が、より「現代社会」に近い。「超高速」の方は「悪」は、老中、松平信祝という形で「見える化」されているので、そのストーリー展開は漫画、アニメに類似している。藩主を筆頭にした藩士たちの「冒険譚」とみなせる。一方、「殿」にはその要素はない。もっと泥臭いと言える分、よりリアルである。

まず、『超高速!参勤交代』。以下、テレビ東京の紹介サイトよりの引用。

5日以内に参勤交代を命じられた弱小貧乏藩。幕府の無理難題「参勤交代」に挑むって、どうやって??? 8日はかかる道程を実質4日って…。参勤帰りで貯蓄ゼロ!7人で大名行列にみせかけられる? 金なし!人なし!時間なし!無理難題のミッションに、彼らは果たしてどう挑むのか?!

このユーモアと斬新さに大絶賛の嵐!!史上初の審査員最高得点を獲得した超話題作! 「のぼうの城」等、秀逸なオリジナル脚本を輩出する城戸賞を2011年受賞、審査員のド肝を抜いた傑作「超高速!参勤交代」。卓越した発想力、秀逸なストーリーテリングで話題の本作が“超高速”映画化!監督は『ゲゲゲの鬼太郎』の本木克英。

幕府からケンカを売られた弱小貧乏藩たちの、知恵と勇気の戦いが今、始まる――。
世渡りは下手だが、誠実な男が立ち上がる時、仲間たちの想いが溢れ出す。 実在の藩を舞台に、笑って泣けて、熱くなる感動の歴史エンターテイメント超大作!

江戸期、八代将軍・徳川吉宗の時代。1万5千石の小藩・磐城国(いわきのくに)湯長谷(ゆながや)藩(現在の福島県いわき市)に存在するという金山奪略を狙い、江戸幕府が無理難題を吹っ掛ける。「5日以内に参勤交代しなければ、藩を取り潰す!」。金も時間もない湯長谷藩。参勤交代を果たし、無事に藩を守ることができるのか?!  通常ならば準備に半年、8日はかかる道のり…しかも貯えも尽きている。しかしこの命令に従わなければ藩はお取り潰しに!藩主・内藤政醇(まさあつ)は、忍びの雲隠段蔵(くもがくれだんぞう)を道先案内役として雇い、家臣の精鋭6名を引き連れ、道中人のいないところでは山道を駆け抜ける奇想天外な作戦にでる。しかし、老中・松平信祝(のぶとき)も刺客の忍びを雇い、参勤交代の邪魔をもくろんでいた。金に目が眩んだ幕府に立ち向かい“とんでもない”知恵を使って参勤交代を達成しようとする貧乏小藩が巻き起こす、究極の痛快歴史エンターテインメント!


監督 : 本木克英
脚本 : 土橋章宏
制作・配給 : 松竹株式会社
製作 : 「超高速!参勤交代」製作委員会

お人よしだが民に愛されるトラウマ持ちの殿・政醇を演じるのは佐々木蔵之介。宿場町で出会う飯盛り女・お咲に深田恭子。一匹オオカミの抜け忍にして旅先案内人の雲隠段蔵には伊原剛志。そして湯長谷藩の個性溢れる藩士たち、金勘定に厳しい知恵者の家老・相馬兼嗣(かねつぐ)に西村雅彦、刀剣の腕に秀でる荒木源八郎に寺脇康文、常に冷静沈着な秋山平吾に上地雄輔、弓の名手・鈴木吉之丞(よしのすけ)に「Hey!Say!JUMP」の知念侑李、二刀流の増田弘忠に柄本時生、槍と料理の腕に秀でる今村清右衛門には六角精児。対する幕府軍は、冷酷な家老・松平信祝に陣内孝則、八代将軍徳川吉宗に歌舞伎俳優・市川猿之助、老中・松平輝貞(てるさだ)に石橋蓮司、と“超”豪華俳優陣が集結した!

そして続編の『超高速!参勤交代 リターンズ』のサイトからの引用が以下。なお、予告編のトレーラーが秀逸なので、リンクしておく。また、「シネマズ」のサイトにも役者と役柄紹介が詳しいので、こちらもリンクしておく。

江戸への参勤を終えた湯長谷藩の面々は、国元に帰る道中の牛久宿で内藤政醇とお咲の祝言の宴を開いていた。そんな中、湯長谷で一揆が勃発したという知らせが入り、2日で国元まで帰ることとなる。政醇ら一行は、再び飲まず、食わず、眠らず、休まずで、国元まで走ることに…。実は、蟄居を解かれた松平信祝が湯長谷藩に復讐しようと良からぬ企みを企てていたのだ。同じ頃、湯長谷の地には尾張柳生の面々が乗り込み、既に城を押さえていた。

幕府から突然の参勤交代を命じられた弱小貧乏藩の奮闘を描いた時代劇コメディ「超高速!参勤交代」の続編。参勤交代の帰り道 「交代」に出た湯長谷藩一行が、宿敵である老中・松平信祝の画策によってさらなるピンチに陥る姿を描く。知恵と工夫でなんとか江戸への参勤を果たした湯長谷藩の藩主・内藤政醇らは、故郷に帰るため江戸を出発する。ところがその道中、湯長谷で一揆が発生したとの情報が入る。政醇らに打ち負かされた老中・信祝が、復讐のため湯長谷藩を壊滅させようと画策しているのだ。一揆を収めるためには2日以内に湯長谷へ帰らなくてはならず、政醇らは行きの倍の速さで走ってどうにか故郷へ帰り着く。しかし、城は既に乗っ取られてしまっており……。主演の佐々木蔵之介ら前作のキャストに加え、古田新太、渡辺裕之らが新たに参加。本木克英監督が引き続きメガホンをとる。

ハチャメチャ度(ぶっとび度)は続編の方がアップしていた。人形を使ってのお練りや死化粧をした藩主、藩士が棺桶から転がり出るところ等。そのあまりにものバカバカしさはアッパッレとしか言いようがない。脚本も優れているし、監督もそれを目一杯活かす演出をしていた。その充実度は最近見た歌舞伎の『東海道中膝栗毛』に匹敵する。そういえば、猿之助がこの「超高速」のいずれにも徳川吉宗役で出ていた。ちょっと出るだけなのにすごい存在感。

役者もこれ以上ないほどの適役ばかり。藩主、内藤政醇役の佐々木蔵之介をはじめとして藩士たち全員が個性的。でも一番目立っていたのは悪役の陣内孝典。続編の方では真っ白化粧、体には西洋風の甲冑を纏って登場。この工夫がいい。さらに、私の個人的好みでいうと、深田恭子が出ていたのが嬉しかった。彼女を映画で見るのは『下妻物語』以来。やっぱりお綺麗。そして可愛さも健在。

人間ではないけど、お猿の菊千代氏も健闘。その名演技にも感心(感動?)した。