yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

『男の花道』たつみ演劇BOX @朝日劇場5月21日夜の部

<お芝居>
一昨年の9月に京橋羅い舞座でみたお芝居。記事にしているのでリンクしておく

2年前の当該日は「ダイヤday」ということで、ダイヤさんが希望されて、このお芝居になった。ダイヤさんが歌右衛門を、たつみさんが土生玄碩だった。この日の前日だったかに、たつみさんが「今までいろんな名優がやってこられた芝居なので、大変だ」、とおっしゃっておられたのを思い出す。蓋を開けてみると、素晴らしい出来だった。どこまでも正統派。きちんとした作り。今回はさらに前回を上回っていた。特にダイヤさん。以前よりも色っぽさが増して、(妙に?)リアルだった。また、劇中劇の「櫓のお七」の人形振りの腕も上げておられた。黒衣役(ルビーさん?)との息もぴったりで感心した。

たつみさんの玄碩は相変わらず手堅い。お体が大変だというのを微塵も見せられなかった。凄まじいプロ根性。

小龍さんは二役で奮闘。どんな役でも完璧。はんなりした浪速ことば(「大阪弁」ではありません)がこれほどしっくりくる女優さんはいないだろう。

前回に見た折には玄碩の連れの医者を愛飢男さんだったのだけど、今回は大倉翔さんが。頑張っておられた。

加賀屋歌右衛門を四代目猿之助、土生玄碩を中車という配役で去年5月、明治座で見ている。猿之助、中車、二人それぞれの熱の籠った演技にすごみがあった。その折に借用させていただいた「みどころ」をそのまま再掲載する。

 文化5年の春、大阪道頓堀の中の芝居では、女方の加賀谷歌右衛門の芝居が大当たり。歌右衛門を見ようと見物人たちで賑わうところ、小屋の中からから土生玄碩が追い出される。シーボルトからオランダ医学を学んだ玄碩は、歌右衛門の芝居を見て、彼の眼の悪さを指摘したので、贔屓客と争いとなり、追い出されたのだった。
 その1カ月後、東海道金谷宿にある旅籠松屋では、江戸へ下る歌右衛門一座が宿泊している。実は、歌右衛門の眼の患いは本当で、彼は命を絶とうとまで思い詰めていた。それを救ったのは、同宿していた玄碩。眼科医の玄碩は命を懸けて手術を行い、歌右衛門の眼病は完治した。歌右衛門は謝礼を出すが、玄碩は受け取らず、二人は江戸で大成することを誓うと、刎頸の交わりだと言って別れるのだった。
 4年後、江戸中村座では、歌右衛門の舞台が大評判。他方、玄碩も実直な眼科医として大成していた。あるとき、広島浅野家の侍田辺嘉右衛門から言いがかりをつけられた玄碩は、窮地に陥り、歌右衛門へすぐに来てほしいと手紙を出す。しかし、歌右衛門は『櫓のお七』の舞台中。手紙を受け取った歌右衛門は…。
 この作品は、昭和16(1941)年公開の長谷川一夫主演映画(小國秀雄脚本、マキノ雅弘監督)で大ヒットとなり、その後、舞台化されました。歌右衛門と玄碩の交流を中心に、前半では歌右衛門を失明の危機から救う玄碩の姿、後半では玄碩の危急を知り、“男の約束”を守る歌右衛門の姿がみどころです。

最大の見せ場は玄碩を救うべく、歌右衛門が一時芝居を中断し、客に向かって中座する訳を語り許しを請うところ。劇中劇の手法。ここのダイヤさん、真に迫った演技だった。周りのお客さんたち、泣いておられた。

<たつみさんの口上>
やっぱりお疲れのようで、いつもより口数少なめ。といってもそこはたつみ座長。サービス満点。梅田にゲストの折に痛みがマシになったとのこと。でもそれで油断しないでいただきたいです。くれぐれも!ダイヤさんが不在の23日の団扇プレゼントの宣伝。なんでもあおぐと特別な風がくるとか?この日来てくれないとまたもや体調が悪くなるとか。

また来月公演は初乗りの葵劇場なので、心配だそう。「遠征」を促すような?さりげないお誘いが。

<第三部舞踊ショー>
全てではありません。それと、誤りあればご容赦。

たつみ  「天城越え」
着物、鬘ともに初めて見るもの。

相舞踊  「湯の花kouta」
この相舞踊、素敵だった。こちらも着物、鬘ともに初めて見るもの。

小龍   「山科の別れ」
渋めの着物。大石りくと息子主税との別れのさまが切々と迫る。

瞳太郎  「冬隣」
見るたびに色っぽくなっておられる。

ダイヤ   「Kaguya」
客席から。なんと花魁の頭に化粧は「立ち」というミスマッチ。これが効果大。

たつみ   「命の華」
こちらも客席から。悲鳴のような歓声が。キメ、キメがパーフェクト。

たつみ   歌

ラスト  「傾奇者恋歌」

たつみさん、送り出しも出られておられた。無理をなさらないでください。くれぐれも!!お客さん、理解されるはずです。せめて誕生日公演まで送り出しはパスされては。体力温存なさってください。