yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

心躍る歌舞伎の新潮流

先週、「NEWシネマ歌舞伎」と銘打った『三人吉三』の映画版を観た。シアターコクーンで一年前に上演された舞台を串田和美が映画版に組み直したもの。圧巻だった。今までの「シネマ歌舞伎」は一日1回上映だったのに、今回のものは一日2回になっている。マーケットリサーチで集客が見込めると考えたからだろう。正しい判断。歌舞伎自体の人口が増えていることの反映でもある。

とくにここ二年ばかりの歌舞伎の新しい潮流とその勢いには瞠目せざるを得ない。歌舞伎は間違いなく新しい層を取り込んで来ている。底上げの成功。より収容数が多くなった新しい歌舞伎座がいつも満員であることにもそれはよく表れている。とてもよろこばしい。そのきっかけをつくったのは故中村勘三郎が始めた「コクーン歌舞伎」だろう。それが下地をつくってくれたおかげで、今のような「実験的」試み満載の歌舞伎が可能になったのだと思う。

役者の「若返り」もそれにはずみをつけている。30代後半から40代の役者が今や中堅。20代役者が、それも優秀な人たちがぞくぞく出て来ている。それを認識したのが今年の「浅草花形歌舞伎」だった。

先日送られてきた歌舞伎会の「ほうおう」をみて、さらにこの「若返り」を強く感じた。まず8月の歌舞伎座公演(「八月納涼歌舞伎」)では演目自体にかなりの工夫が。それと出演役者が若い。せんだって亡くなった坂東三津五郎の
「追善公演」の意味合いもあるのだろうが、子息の巳之助が多く出ている。そこに勘九郎、七之助、隼人、新悟、児太郎といった新進気鋭の若手が加わっている。弥十郎、扇雀、橋之助のみが中堅。大御所の出演はなし。

そういえば7月には新橋演舞場で『阿弓流為』が染五郎、勘九郎、七之助で演じられる。新悟、廣太郎、二人の若手も加わる。これは席を確保した。出演者面々は『三人吉三』とほぼかぶる。

9月には「赤坂歌舞伎」と銘打った七之助、勘九郎を中心にした公演が赤坂ACTシアターで上演される。新しい試みをとりいれた(と思われる)『三番叟』と『お染の七役』が出し物。チケットを取るかどうかは未定。9月の歌舞伎座に触手が動くような演目と役者が来るかどうかで決めるつもり。

関西では9月いっぱい、京都南座に新作歌舞伎、『あらしのよるに』がかかる。獅童、松也、萬太郎、梅枝、月乃助(!)が出る。これはチケットを取るつもりにしている。歌舞伎でみる月乃助は久しぶり。おもしろい組み合わせ。

10月初めから11月末まで、なんと!歌舞伎版「ワンピース」が新橋演舞場にかかる。こんな実験をするのは、やっぱり猿之助。NEWスーパー歌舞伎の新境地を拓く意気満々。

10月末から11月末にかけては「大阪平成中村座」公演が大阪城の特設劇場で上演される。これはもちろんチケットを取るつもりにしている。