yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

『鬼平犯科帳』DVDシリーズ

『鬼平犯科帳』DVDシリーズ、ついに第4シリーズまで買ってしまった!定価だととても高いのですべて中古だけれど、それでもけっこうな出費になった。第9シリーズまであるようだけど、DVDはひとまずこれで止めるつもりである。本の方は番外編の「乳房」を除いて第24巻の「誘拐」まで読んだ。これは絶筆で惜しいところで未完になっている。

第3シリーズが先ほど届いたので授業が休みなのをよいことに先ほど第1巻を見終わった。第2シリーズ分が飛んでいるので、酒井同心役が篠田三郎から勝野洋になっていて、がっかりした。こういう場合、あとを引き継ぐのは割に合わないんですよね。前任者のイメージが強いから。でも同じく同心の木村忠吾の尾美としのり、佐嶋忠介の高橋悦史ももうその役そのものにみえる。それに密偵役の役者さんたちは同心以上で、その多彩なこと。おまさの梶芽衣子、伊三次の三浦浩一、そして!なんと言っても極めつけは相模の彦十こと江戸家猫八である。まだ放映が終わらない前に亡くなられたとのことで、残念である。まさに「江戸」。その雰囲気をいちばん抵抗なく演じ、出し切っているのがあっぱれ。彼が画面に登場するだけで、場面が江戸そのものになるのが不思議である。

そしてもちろん、鬼平の中村吉右衛門。とても”soothing”で、こういう親分(リーダー)がいたら、一も二もなくついて行く。もっというならこんなダンナ様がいたらどんなに楽かと思ってしまう。「闘う鬼平」、「強く逞しい鬼平」というイメージが強いけど、中村吉右衛門の鬼平はそれ以上のもの、「癒しの鬼平」をみせてくれる。それにその殺陣の腕前は想像を超えていた。歌舞伎の殺陣は形のみなので、どこで「修行」されたんだろうと不思議である。新国劇のほぼ座付き脚本家だった池波正太郎自身が、吉右衛門の父君の前松本幸四郎の殺陣を褒めていたが、息子の吉右衛門もその血筋を受け継いでいるのだろう。

そしてその癒しの鬼平の後ろには妻役の美しい多岐川裕美が控えているのである。こんな理想的な夫婦なんてあるはずもなく、だからこそ人は「鬼平ドラマ」をみるんでしょうね。

各回に旬の役者を登場させ、思う存分使っているのが小気味良いくらいのものである。それぞれがぴたりとハマった役柄を演じている。いくつかの例外はあるけれど、でもほとんどがその役を演じきっている。50分に満たない一話の中で、人物像を造型するのは大変である。今のテレビに登場するタレントと称する学芸会レベルの「俳優」にはおよそできないことだろう。

なぜか第三シリーズが第二よりも先に届いたのでそちらを今観ている。少し前後脈絡、関係が分らない箇所もあるが、それでも元がいわゆる「読み切り」の連載だったのでそう不自然ではないし、訳が分からないということもない。