yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

白鴎の風格、脇のうまさが光った『近江源氏先陣館——盛綱陣屋——』in「十二月歌舞伎」@国立劇場 12月5日昼の部

一応公式サイトのチラシをアップしておく。 近松半二作の古典歌舞伎「盛綱陣屋」、今まで見てきて楽しめたことはなかった。ところがである、今回の「盛綱陣屋」は大ヒットだった。とにかく白鴎が良かった。品格があった。加えて脇を固める役者が粒ぞろい。そ…

幸四郎がチャップリンに挑む『蝙蝠の安さん』in「十二月歌舞伎公演」@国立劇場 12月5日昼の部

かなり期待していたので、ちょっと肩透かしを喰らった感がある。でもそれは無い物ねだり。もともと木村錦花がチャップリンの『街の灯』を歌舞伎にした作品で、それを十三代目守田勘弥が演じているので、「元ネタ」が既にあった。それをそう大幅には改変でき…

梅枝の阿古屋で『壇浦兜軍記』in「十二月大歌舞伎」@歌舞伎座 12月4日昼の部

まず、「配役」と「みどころ」を「歌舞伎美人」からお借りする。 遊君阿古屋 秩父庄司重忠 榛沢六郎 岩永左衛門 梅枝 彦三郎 功一 九團次 愛する人を思い奏でる、麗しき音色 平家滅亡後、平家の武将悪七兵衛景清の行方を詮議するため、問注所に引き出された…

玉三郎の「保名」in「十二月大歌舞伎」@歌舞伎座 12月4日昼の部

「歌舞伎美人」から「みどころ」をお借りする。 恋人の面影を追い、春の野をさまよう 桜と菜の花に彩られた春。野辺をさまよい歩くのは、恋人が自害したことを嘆き、正気を失った保名。亡き恋人の姿を追い求めますが、現実に引き戻され、形見の小袖を狂おし…

梅枝が本領発揮した『神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)頓兵衛住家の場』in 「十二月大歌舞伎」@歌舞伎座 12月4日夜の部

作は福内鬼外とあるけれど、平賀源内のペンネームだとか。 全編義太夫語りに乗りながらの狂言。これがどれほど難しいことか。それを「新米」の梅枝が見事に演じきった。素晴らしかった。「歌舞伎美人」から「配役」と「みどころ」をお借りする。 <配役> 渡…

『本朝白雪姫譚話(ほんちょうしらゆきひめものがたり)』in「十二月大歌舞伎」@歌舞伎座12月4日夜の部

随分以前に「俳優祭」での上演があったらしいが(データベースには載っていなかった)、この『白雪姫』はそれとは違った形、内容になっているようである。玉三郎が中心となって、グリム原作を下敷きに歌舞伎にしたということ。竹柴潤一、脚本坂東玉三郎 補綴…

今月の歌舞伎座公演は玉三郎が考える「歌舞伎」の理想形を示したものだった?

「歌舞伎美人」サイトから今月のチラシをお借りする。 今月の歌舞伎座公演は、芝居も舞踊も玉三郎好みの色合いが強いように感じた。玉三郎が自身が理想形とする「歌舞伎」を示したものとして、ずっと語り継がれるかもしれない。 古典芝居・舞踊(『壇浦兜軍…

和歌(うた)の世界観を表現した羽生結弦選手のSP「秋に寄せて」グランプリファイナル in トリノ 2019年12月7日

あまりにも滑らか、あまりにも美しく、それはまさに日本の和歌(うた)世界を展開しているように感じた。しかもそれが能の舞——序の舞・中の舞・急の舞——と共振しているようにも感じた。能そのものは和歌的なものと漢詩的なもののハイブリッド(しかもそれは…

天の試練を乗り越える使命のひと、羽生結弦選手

「天」というよりも「贔屓の引き倒しだった審判」としたいけれど、そこは我慢。不公平な採点を跳ね返し、むしろ乗り越えてゆく決意を新たにしたのが、「日刊スポーツ」のインタビュー記事(2019年12月8日20時40分)に載っていた。改めて感動。非難していない…

羽生結弦選手のEX演技「ノッテ・ステラータNotte Stellata(The Swan)」 @グランプリファイナル in トリノ−「甦る=復活する英雄」を再び!

Il VOLO(イル・ヴォーロ)の「ノッテ・ステラータ(星降る夜)」。原題は「Notte Stellata (The Swan)」、原曲はフランスの作曲家サン・サンースの「白鳥」であり、タラソワコーチが羽生結弦選手に使って欲しいと渡したもの。羽生選手のEX曲、ひとつとして…