yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

「知られざるロシア・アバンギャルドの遺産〜スターリン弾圧を生き延びた名画」@再放送BSプレミアムカフェ 10月19日

番組の公式サイトをリンクしておく。

今までまったく知らなかった領野。ウズベキスタンが舞台になっている。スターリン時代、過酷な弾圧を受け、シベリア刑務所送りになった画家たち。彼らの絵画を当局の目を盗んで「収集」した人がいた。それがサヴィツキー。目利きで、芸術度の高い作品が葬り去られるのをかろうじて防いでくれた、ロシア絵画の恩人とでもいうべき人。彼の建てた美術館、ウズベキスタンカラカルパク美術館に、今まで埋もれていた絵画が眠っている。それを亀山郁夫氏が追うという構成。そもそもこの番組契機になったのは亀山氏の著書、『ロシア・アヴァンギャルド』(岩波新書)だったらしいのではあるが。この著書を元にNHK のスタッフが足を棒にして探し出してきた情報。それらを亀山氏が追認したということなんだろう。それにしてもよくぞ見つけてきてくれたと、スタッフに賞賛を送りたい。

2004年11月放送分の解説は以下。

ハイビジョンスペシャル 知られざるロシア・アバンギャルドの遺産〜スターリン弾圧を生き延びた名画〜(初回放送:2003年) “反・社会主義リアリズム”として弾圧された前衛絵画は、なぜよみがえったのか…。亀山郁夫さんがウズベキスタンで探る。

さらに、先日の再放送時の解説が以下。

20世紀初頭に花開いた前衛芸術運動「ロシア・アバンギャルド」。しかし、スターリン弾圧により、亡命したシャガールカンディンスキーが高い評価を得る一方で、国内にとどまった芸術家の多くが粛清され、作品は破壊されてしまった。

ところが、ウズベキスタンカラカルパク美術館に、6万点以上の絵画が保管されとぃることがわかった。伝説の画家と呼ばれるルイセンコ「雄牛」など、無名の天才の傑作がよみがえった。番組では、数奇な運命をたどった画家たちの苦難の人生と作品を紹介する。

弾圧を生き延びたロシア革命後の遺産 幻の絵画たちが今よみがえる!

検索をかけて、「パロップのブログ」という方のブログ記事に行き当たった。極めて明瞭な番組解説になっているので、以下に引用させていただく。

亀山先生のスターリン時代芸術を追う旅をクローズアップする(『我が心の旅』でやりそう)のか、サヴィツキー中心の歴史秘話発見ものにする(『BSプライムタイム』でやりそう)のか、はっきりしない。バランス良く目配りしてあるのかもしれないが、ブツと人と時の並べ方が複雑で難しい。内容面でも、サヴィツキーの買い付け、60〜80年代に国立美術館に展示されていた絵画が、アヴァンギャルドだけなのか、それも含めた様々なのか、どうも調べ切れていないのではなく、ワザとぼかしているような気がする。

確かにこの通り。何がこの番組の主旨なのかが、かなり曖昧。私は「サヴィツキー中心の歴史秘話発見」ものと捉えた。わざとボカしているというのには、まったく同感。

サヴィツキーの命を賭した絵画収集の執念に打たれた。それと同時に、彼の遺したヌクスの美術館で、限られた予算の中で絵画の修復を行うスタッフの姿に打たれた。西欧、あるいは日本の美術館では考えられない厳しい経済条件の中、ただひたすらに修復をする。でも絵画の劣化にはとても追いつかない。それが何百点とあるという事実。その裏から見えてくる弾圧された画家たちの悲鳴。そして悲哀。なんともいえない気持ちになった。「ペレストロイカ」までは旧ソ連はこのような暗黒世界だったのだと、改めて認識させられた。その中で、画家のサイドに立って、当局の目を盗みつつ絵画収集に執念を燃やしたサヴィツキーに思いを馳せた。晩年も決して恵まれたとはいえなかったよう。誰か「名誉挽回」をしてくれないだろうか。それと、美術館の未修復の絵を日本の美術館が預かって修復するということはできないのだろうか。

朽ち果てる絵画。時間を止めることはできないのだから、なんらかの援助が差し伸べられることを祈る。この番組が最初に放映されてから十数年経過しているけれど、再放送中ではそれへの言及はなかった。ということは、援助は今もないということ?