yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

ジュリアーノ・カルミニョーラとヴェニス・バロック・オーケストラ演奏会 於西宮芸術文化ホール

聞きなれない演奏者名と思ったのもそのはず、なんでも48歳でヴァイオリニストとしてのキャリアをスタートさせた方のようです。以下が西宮芸術文化センターのアドです。誤植もありますが、そのまま引用します。

「遂にジュリアーノ・カルミニョーラヴェニスバロック・オーケストラによる、ヴィヴァルディの『四季』全曲演奏会が実現します。
カルミニョーラヴェニスバロック・オーケストラの『四季』は、地位や名誉欲など一切なかった遅咲きのカルミニョーラが48歳で世界デビューを果たした際、名声を手に入れた代表的な作品のひとつです。“赤毛の司祭”ヴィヴァルディと同じく、誰もが芸術家を志したくなるようなヴェニス独特の空気と水を何世代にもわたって存分に吸収し、内面化ける(sic) してきた彼らにしか演奏することのできない、紛れもない本物のヴィヴァルディの「四季」。しかも、プログラムの前半には、ヴィヴァルディと同じく、ヴェニス出身の作曲家の作品が据えられています。
イタリア・バロック音楽の系譜をたどる、絶好の機会が到来します。」

イタリアンバロックの代表作品といえばモンテヴェルディのオペラ、『オルフェオ』でしょうが、有名なのはなんといってもヴィヴァルディ、そしてその代表曲、『四季』ということになるでしょう。ベニス出身のヴィヴァルディの曲をベニス出身のカルミニョーラが演奏するということですから、オリジナルのもつオーセンティックな雰囲気が期待できます。多分よく知られている華麗で明るいイ・ムジチ合奏団のものとは違って、もっと陰影のあるものではないかと想像しています。

ヴェニスバロック・オーケストラという楽団を聴くのは初めてですので、これも期待できます。2001年にあのナインイレブン直後にアメリカからベニスを訪ねた折にもバイオリンの四重奏を聴きましたが、この楽団ではありませんでした。なにしろ毎日のように有名なところから無名に近いところまでありとあらゆる種類の演奏会が開かれているヴェニスですから、その中でも上位に位置する実力はあなどれないものに違いありません。

ヴェニスは不思議な町、ユニークな街でした。沈みつつ島々で構成されているというその特殊性はさることながら、「没落」の頽廃的美を地で行くそのあり方、まるで豪華なガウンを身に纏い、老醜ただよう顔に厚化粧を施した老婆のような街でした。いわゆる美しい街は多々ありますが、ヴェニスのようなところは他にないでしょうね。ヴィスコンティの描いた『ベニスに死す』が最もその雰囲気に近いかもしれません。ひとことでいえば、その重さに打ちのめされました。と同時にその街で暮らす人たちのしたたかさにも感動しました。日本でいえば京都にあたるでしょうか。

そういう今のヴェニスの雰囲気ではなく、かって世界中の貿易の中心地であり、絶大な富をもち権力を行使できたヴェニスバロック時代はそういうヴェニスをも象徴していますから、その断片も窺えるかもしれません。