yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

やっぱり中村屋兄弟が光っていた「三浦屋格子先の場」 in 『助六曲輪初花桜(すけろくくるわのはつざくら)』@歌舞伎座 10月23日夜の部

「三浦屋格子先の場」のみの上演。「歌舞伎美人」掲載の配役とみどころは以下。

<配役>

花川戸助六
三浦屋揚巻
白酒売新兵衛
通人里暁
若衆艶之丞
朝顔仙平
三浦屋白玉
福山かつぎ
男伊達
男伊達
男伊達
男伊達
文使い番新白菊
傾城八重衣
遣手お辰
くわんぺら門兵衛
髭の意休
松葉屋女房
母満江

後見

仁左衛門
七之助
勘九郎
彌十郎
片岡亀蔵
巳之助
児太郎
千之助
竹松
廣太郎
玉太郎
吉之丞
歌女之丞
宗之助
竹三郎
又五郎
歌六
秀太郎
玉三郎

松之助 

 

<みどころ>

江戸の粋が詰まった豪華絢爛な舞台

 賑わう吉原仲之町。花川戸助六は夜ごとに吉原に現れては喧嘩をしかけています。
 実は助六は曽我五郎で、相手に刀を抜かせて源氏の重宝友切丸の行方を探しているのです。助六は、花魁の揚巻に執心の髭の意休へ悪態をつき、刀を抜かせようとしますが、相手にされません。一方、白酒売の新兵衛は助六の実の兄で弟の様子を案じて意見します。しかし新兵衛は、紛失した刀詮議のためとの真意を知ると、助六と連れだって喧嘩をしかけます。そこへ兄弟の母満江がやって来て…。
 粋で華やかな江戸歌舞伎を代表する名作をご覧いただきます。

 以下は助六の仁左衛門と揚巻の七之助。筋書き掲載の写真をお借りした。

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中村屋兄弟がここでも精彩を放っていた。そのエネルギー放出の前では、仁左衛門も霞んでしまうほど。二人のために舞台があるかと思わせた。勘九郎の白酒売のいなせさは、父の勘三郎を彷彿させたし、七之助のすっきりとした色気は独自の路線を構築しているように思えた。この二人のカッコよさと洒脱は、まさに父を継承している。それでいて、それぞれの個性が際立っていて、父そっくりというわけではない。不思議なことにそれぞれの個性ははっきりしているのに、二人同じ舞台に出てくると一種の和音を奏でる。離れているようで、調和している。そんな二人のためにある舞台のような感じがした。古典中の古典でここまで二人が見事だと、他の役者たちはワリを喰ってしまうほど。 

ハイライト部のみの舞台なので、それぞれの役者がいつもより以上にそのキャラを際立たせなくてはならない。その中で中村屋兄弟に「対抗」、屹立していたのは名脇役たち。彌十郎の通人は「いかにもこんな奴がいそう」と思わせる大ボケぶりが、亀蔵の若衆艶之丞も「こういう勘違い男いるよね」と思わせるケッタイさが、それぞれ群を抜いておかしかった。この二人で対になって、中村屋兄弟の「粋」と対立する「無粋」(滑稽さ)を示していた。 

もちろん最も注視すべきは仁左衛門の助六なのだろうけど、助六のパワーが感じられず、見ているのが辛かった。玉三郎は出番が少ないのに、やはり存在感があった。同じく女方の秀太郎も、玉三郎よりさらに出る時間が短いのにもかかわらず、さすがの存在感だった。

 

私が見たかった三浦屋白玉役の児太郎は、いつもながら(?)遠慮がちに他の傾城たちと床几に座っていて、ちょっと無念。その他大勢の役だから、仕方ないのだけれど。

巳之助もどちらかというとマイナーな役で、がっかり。もっと目立つ役だと彼の個性が光るのに。

 この作品、『助六』はいわずとしれた成田屋の十八番。仁左衛門が助六役を演じるときには、『助六曲輪初花桜』という外題になるそう。また、助六の出端には長歌が使われるそう。その長唄がとても華やかで、ウキウキ気分を盛り上げてくれた。以下の演者さんたち。

鳥羽屋里長

芳村伊千四郎

杵屋五功次

鳥羽屋長秀

鳥羽屋三之助

 

三味線

杵屋栄津三郎

稀音家新之助

杵屋佐助

杵屋五三吉次

杵屋栄次郎