yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

『五右衛門ロックIII』ゲキ×シネ劇団☆新感線@東劇 12月26日

羽田発のフライトの出発時間が午後6時と遅いので、三島由紀夫のお墓参りに行こうかと考えていたのだけど、結局東劇で『五右衛門ロック』を観ることに。前から見たいとおもっていたもの。ただ2011年に梅芸で観た『髑髏城の七人』にはげっそりしたので、あえて高いチケット代を払ってまで、舞台をみる気にはなかなかなれないでいた。これは映画なので、普通の映画代金、1800円だった。

見て良かった!作品宣伝は以下。

劇団☆新感線の演劇作品を映画館で上映するプロジェクト『ゲキ×シネ』の最新作『ZIPANG PUNK〜五右衛門ロックIII』が、3月29日から全国で上映される。
『ゲキ×シネ』は、劇団☆新感線の舞台公演をデジタルシネマの技術を用いて映画館で上映するプロジェクト。俳優の汗や涙、感情の機微まで体感できるように計算された映像表現と、臨場感溢れるクリアな音響で演劇の魅力が映像作品化されている。
2012年12月から翌年2月まで上演された同作は、空海が隠したという埋蔵金を巡る大泥棒・石川五右衛門と女盗賊・猫の目お銀らが巻き起こす騒動を、歌やダンスを交えて描いた作品。五右衛門役を古田新太、お銀役を蒼井優、五右衛門たちを追いつめる探偵・明智心九郎役を三浦春馬が演じるほか、尼僧・春来尼役に高橋由美子埋蔵金伝説を聞きつけた豊臣秀吉役に麿赤兒石田三成役に粟根まこと前田慶次郎役に橋本じゅん、マローネ・アバンギャルド侯爵夫人役に高田聖子、シャルル・ド・ボスコーニュ役に浦井健治がキャスティングされている。

『ZIPANG PUNK〜五右衛門ロックIII』
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
作詞:森雪之丞
出演:
古田新太
三浦春馬
蒼井優
浦井健治
高橋由美子
橋本じゅん
高田聖子
粟根まこと
村井國夫
麿赤兒

2012年のものらしい。中島かずきの脚本もいのうえひでのりの演出もこれ以上ないくらいの出来栄えだった。『阿弖流為』につながる痕跡もみられた。

『髑髏城』では小栗旬森山未來早乙女太一の演技(とくにエロキューション)と殺陣にうんざりだったので、いわゆるタレント上がりの三浦春馬にはまったく期待していなかったのに、みごとにいい意味での肩透かし。声も演技もそしてダンスもよかった。そして殺陣はそれにもまして良かった。彼とのラブシーン(?)を演じた蒼井優も初々しくて素敵だった。古田新太を芝居で観たのは初めてだったけど、さすがと感心しきりだった。

あとの人たちもぴったりとはまった役で、あらためていのうえの演出力に脱帽。

でもなによりも、古田新太の出演が大きかったと感じた。2011年に私が観た『髑髏城』に彼は出ていなかった。出演していれば、あんなにばらばらな印象の舞台にはならなかったに違いない。次から次へとめまぐるしく展開する場面、それになにがしかの意味付けがなされているのは、いのうえの演出法だろう。それも「どうだ!」って感じではなく、さりげなくなされている。演者の力量が足らないと、「あれ、一体なんだったの?』になる。強烈な、そして重い意味付けが負荷されていない (not loaded with) ぶん、逆に演じるのは難しい。

この『五右衛門ロック』では、演者が『髑髏城』よりもずっと手練だった。声も演技力も優れていた。でもそれをまとめる古田新太がいて、それぞれの役者のキャラがくっきりと立ち上がって来ていた。彼が全体を締める役を担っていた。あえてばらばらにされている各場の意味が、古田によってゆるく纏められていた。でも、それが完全に纏まってしまわない。まとまるようでいて、その度に肩すかし。こういう演出法、大好き。下手な「意味付け」をしないところが、特に好き。スーパー歌舞伎の演出をした横内謙介の方法とは真逆。実に斬新!

染五郎中島かずきいのうえひでのりに『阿弖流為』を依頼したのは大正解だった。この流れ、歌舞伎が輸入、新しいカブキを創りだすきっかけになってゆくのでは。