yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

「幻の色 よみがえる浮世絵」NHK BSプレミアム『プレミアムカフェ』9月7日再放送(初回放送:2009年)

以下が番組のサイトからの情報。

富山の旧家で大量の浮世絵の版木が見つかった。版木は主に、幕末に活躍した歌川国芳のもので、国立歴史民俗博物館が中心になって分析・研究が進められた。発見を基に、総合芸術としての浮世絵の姿を明らかにする。

出演者ほか
【ゲスト】立原位貫箭内道彦高橋克彦,河治和香,杏,アーサー・ビナード,【語り】立川談笑渡邊あゆみ,【スタジオキャスター】渡邊あゆみ

浮世絵版画、三十何色かの色を出すのに色をなんども重ねて刷るという工程を経ているのに、まず驚いた。それが工房のようなところで何人もの職人の合同作業で産み出されることにも驚いた。さらに、微妙な色合い、鮮やかな色を使い分けるその技と美意識に驚嘆した。すごい技術が市井の職人たちによって完成、維持されていたという事実。レオナルド・ダ・ヴィンチやボッティチェッも学んだとされるフィレンツェのヴェロッキオ工房を連想してしまった。ただ、国芳の絵を版画にした工房の職人たちからは「有名人」は出ていない。これらの名もない職人たちの合作によって初めて、国芳の浮世絵が世にあまねく出回ることになったんですね。彫り方、色の選び方、組み合わせ方、刷り方、それぞれが非常に細かい作業。彼らの連携によって生まれた浮世絵の美しいこと。特にこのNHKの企画の下、最新技術を駆使してやっと判明したのが色の違い。刷られた直後の浮世絵のなんと色鮮やかなことか。今われわれが見ているそれとはまるで違ったものに見える。これほど質の高い絵がてんぷら蕎麦一杯程度の金額で流通していたとは。当時の大衆文化のレベルの高さを思った。

そしてもう一点、最も注意を惹かれたのが木版画家、立原位貫氏による国芳の「達男気性競 金神長五郎」の復刻の作業過程。版木に彫るところから、色の選定、色付け、紙に刷るところまでの一連の作業を一人でこなされた。結果は見事なものだった!以下が彼の「達男気性競 金神長五郎」。HPからお借りする。

赤、紅の色が立っていてなんと色鮮やかなことか!特に鬼。躍動感にあふれていて、今にも絵から飛び出してきそう。残念なことにその後2005年7月に63歳で亡くなっておられる。優れた芸術家のお一人を失った。痛恨の極み。立原位貫氏のHPをリンクしておく。

番組の中での立原位貫氏のコメントが印象的だった。江戸時代の職人たちのレベルが非常に高いものであったこと、当時の人々が国芳の芸術的木版画を鑑賞するだけの眼を持ち合わせていたことから、社会が極めて成熟した社会だったとわかるとおっしゃっておられた。それは版木を刻み、色をつけ、刷るという工程を全て一人でやってのけられた立原位貫氏の感慨であるがゆえに、重い。

立原位貫氏の作品の特別展が10月13、14日に京都の光雲寺で開かれる。午前10時から午後5時までとなっている。出かけるつもりにしている。以下がHPから採取した「特別展」情報。

2015年7月に惜しまれながらこの世を去り、没後三回忌を迎える
節目の年として、立原の眠る光雲寺にて小さな展覧会を開催させて
いただくこととなりました。

光雲寺は、NHK「猫のしっぽカエルの手」で撮影を行った場所で
普段は一般公開されていないお寺です。
美しいお庭と共に作品をお楽しみください。