yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

昭和天皇は「沖縄国体」での皇太子の代読に「否定的」だったと『卜部亮吾侍従日記』に

この情報はYouTubeの「白猫とむったん」サイトからのもの。情報、ありがとうございます。むったんが『卜部亮吾侍従日記』に言及していたので、図書館から第1巻と4巻を借り出した。当該部分は昭和62年が収められている第4巻(全部で5巻)の10月24日の記載(214頁)。スクショした。

皇太子国体での「昭和天皇のおことば」代読への批評は極めて短いもの。しかし、「沖縄のご感想については否定的」とあるところに、昭和天皇の不満が窺える。沖縄に出向く直前、当時の皇太子夫妻はアメリカ訪問から帰国したばかり。気が入らないのは仕方ないかもしれない。

とはいうものの、卜部氏の日記をスキムする限り、皇太子夫妻への期待があまり感じられない。これは卜部氏にも、当時彼の同僚であった小林侍従をはじめとする他の侍従たちにも共通認識だったのではないかという印象を持った。「あてにしていない」というか、軽んじている印象だった。皇太子夫妻がその程度の人たちだと、昭和天皇を始め侍従たちも感じていたということか?

昭和天皇仕えた侍従の日記としては『入江相政侍従日記』と『小林忍侍従日記』に以前目を通した。それぞれに興味深かった。この『卜部亮吾侍従日記』は入江氏や小林氏とはかなり趣が違っていた。当然ですけどね。ご自分自身の生活を結構赤裸々に記載されている点で入江氏のものに近いかもしれない。日常が素直に綴られていて、この方の付き合い範囲、嗜好等、リアルに伝わってきた。こういう歴史的な意味をもつ日記に行きあっていつも思うのだけれど、「これだけで論文のみならず本が何本もかける!」という感慨である。セコイですね。まあ、当方歴史研究が仕事ではないので、悩むこともないのですが。勿体無いほどの素晴らしい資料です。

ただ、ひとつ残念なのは『卜部亮吾侍従日記』の編集者が例のキコのお友達の岩井克己と御厨貴であること。さらに、朝日新聞社発行。さらにさらに、巻によっては矢部万紀子が発行者になっていたりする。この人たちに卜部さんの日記を任せても大丈夫だったんでしょうか?変な操作をしていないでしょうか?かなり心配ではある。