能は京都観世会館1月例会。『翁』が新年最初の観劇になる。
シテを観世清和師。三番叟を茂山逸平師。八坂神社での奉納能(2017年1月3日)で茂山茂師が三番叟を舞われた『翁』を見たのがこの曲を見た最初だった。シテは金剛永謹師。予備知識ゼロで見たので、「何か不思議な能だな」と感じた。それもそのはず、能が能として成立する前の原型を残している曲だそうである。『能を読む』シリーズの第1巻、「翁と観阿弥 能の誕生」(角川学芸出版、2013)で知った。識者が侃侃諤諤の刺激的議論を戦わせていて、面白い。ちなみにこの「能を読む」シリーズ全4巻はそれまでのアプローチとは違っていて、その意味でもワクワクする啓蒙書になっている。私はロンドン大図書館で初めて手にして、帰国してから図書館をいくつか回って借り出し、気になるところをコピーした。全巻揃えるとなると高価な上に絶版になっているものもあり、かなり難しいので。
続いて京都観世での「新春五番能特別公演」の第一部をみようと考えている。こちらも浦田保浩師の『翁』が曲目に入っている。
金剛定期能も見ようかと思案中。曲は『神歌』と『二人静』。1月予定されている公演はあまり多くはなく、加えてオミクロン株の流行もあって、実際に公演できるかは微妙なところではないだろうか。いっそのことオンラインになればとも思う。ただ私はやはり舞台でのものを見たいので、苦しいところではある。
歌舞伎は東京遠征をする予定にしていたのだけれど、今回はコロナで諦めた方が良さそうなので、ぎりぎりチケットを取らなかった。歌舞伎座の第二部、『邯鄲枕物語』はまさに能が下敷きになっている上、幸四郎が盧生を演じる喜劇ということらしいので、残念ではあるけれど。でも感染が収まれば急遽遠征ということになるやもしれない。最初遠征の目的にしていたのが国立劇場の『南総里見八犬伝』で、これは音羽屋一門が勢ぞろいするので、やっぱり惜しい。
あとはオペラ、バレエのライブビューイングが目白押し。METは『ボリス・ゴドゥノフ』、ボリショイバレエは『スパルタクス』が公開されるようなので、外さないようにしたい。