アメリカ同時多発テロの生存者を未だに苦しめるPTSDについての論考が、学術誌「Public Health Reports」の2010年7−8月号に掲載されている。リンクしておく。非常に詳しく原因、経緯、治療法等の調査結果が述べられている。
同時多発テロで救援活動に参加したニューヨーク消防局 (FDNY) 消防士、警官の多くがPTSDに苦しめられている。ここにもあるように、「PTSD post-traumatic stress disorder」はアメリカではよく知られた精神性疾患であり、特にベトナム戦争の帰還兵、その後のイラク戦争の帰還兵に見られた。また、1995年のオクラホマ・シティ爆破事件の生存者の34%、消防士の13%にも見られる後遺症である。2001年の同時多発テロでの罹患者については上記論考に挙げられている通りである。
アメリカのニュースを検索「PTSD」で検索すると、先日の「9.11 慰霊祭」ニュースの中にもこの症状で未だに苦しんでいる消防士のことが紹介されている。当時「ヒーロー」ともてはやされた初動消防士の一人がこの病で苦しんだ末、アリゾナで狂死とでもいうべき痛ましい最期を遂げたとのこと。この方は当時の本人の大きな写真入り新聞で読んだ記憶があり、胸が痛む。
戦争、テロという非常事態が日常化しているアメリカでは、PTSDで苦しんでいる人は多く、身近にも罹患者がいることもある。だから非常に重く受け止められている病である。治療法も確立されたわけではなく、恐ろしい体験後、時間が大分経ってから症状が出ることもあるという。その悲惨さは先ほど述べた消防士の例からも窺い知れる。
だからこそ、PTSDを経験したあるいは経験している患者にとってみればマコがこの病を軽々に言論封殺の手段にしたことは許せない想いだろう。ごく最近出したこの人のビデオメッセージ映像を見る限り、当人がこの病に苦しんでいるとは到底見えず、なぜこの疾病を宮内庁長官(と皇嗣職大夫)に発表させたのか(これは彼女の意向だったという)、腑に落ちない。巷間に高まる一方の「破談一択」の国民の声を封殺する意向だったとすれば、越権行為も甚だしい。実際にYahooのコメントは怒りで埋め尽くされていた。当然である。また和田秀樹医師からはこの病名に疑問の声も出ている。
加えて、アメリカに小室の「家族」として入国するにはアメリカ移民局へビザ申請をし、大使館(領事館)による書類及び面接審査を受けなくてはならず、「PTSD」では入国拒否される可能性が高い。よほどのロイヤル忖度の裏の手(これは違反である)を使わない限り、「却下」になる。それを全国民に向けて意気揚々と発表するとは、一体どういう神経をしているのか、正常な頭脳をしているのか。「無知と傲慢もここに極まれり」という感を持つ。
この女性の精神状態がPTSDというよりも極めて幼稚なものであることが万人の目の下に晒されてしまった。宮内庁は何をやっているのか。バカばかり揃っているのか。あるいはバカしか残らなかったのか。
私は「複雑性」とついているPTSDは初めて知った。戦争、テロ等による従来から知られているPTSDは「単純性PTSD」と呼ばれるらしい。では、「複雑性PTSD」とはそれとはどう違うのか。Wikiによると、「複雑性PTSD(C-PTSD)とは、組織的暴力、家庭内殴打や児童虐待など長期反復的なトラウマ体験の後にしばしば見られる、感情などの調整困難を伴う心的外傷後ストレス障害(PTSD)である」と定義されている。
続けてのWikiによる解説は以下。少々長いが引用する。
複合的な心的外傷後ストレス障害 (C-PTSD) は、暴行、性的虐待、家庭内暴力、拷問及び戦争のような長期の対人関係の外傷に起因する臨床上で認識された病気である。PTSDはC-PTSDに比べ慢性的な安全の感覚、信用、自尊心などの損失、再被害傾向などが起こらない。C-PTSDは感情的なこと、そして対人関係の機能の多くの領域における慢性的な困難が特色である。
その症状としては感情調整の障害、解離症状、身体愁訴、無力感、恥、絶望、希望のなさ、永久に傷を受けたという感じ、自己破壊的および衝動的行動、これまで持ち続けてきた信念の喪失、敵意、社会的引きこもり、常に脅迫され続けているという感じ、他者との関係の障害、その人の以前の人格状態からの変化などが含まれる。
そのため、『精神障害の診断と統計マニュアル』第4版(DSM-IV)に載っている戦争や事故、レイプなどによるものは単純性PTSDと通称し、それに対し家庭内での虐待体験など複雑な体験によるものは複雑性PTSDと呼ぶことを治療者は提唱した(DSM-IV-TRでは一症状として取り上げられた)[1]。もしくはこれを指してDESNOS(Disorder of Extreme Stress not otherwise specified)と呼ぶことを提唱している研究者もいる。その研究者としてはジュディス・ハーマンやベッセル・ヴァン・デア・コーク (Bessel van der Kolk) などが知られている。
また、境界性パーソナリティ障害の患者の多くがインセストの体験者であるというデータもあり、実際には内因性ではなく外傷性の事件によって引き起こされた境界性パーソナリティ障害の患者が非常に多いのではという推測もある。Stone (1981) によると境界性パーソナリティ障害患者の75%が近親姦の体験者であるとされている[7]。このため因果関係があるのではと主張する論者もいるが、愛着関係に障害があったために性的虐待のターゲットにされてしまった可能性を否定できないため、これに関してはさらなる研究が必要である。
私が「あれ?」と思ったのは「家庭内での虐待体験など複雑な体験によるものは複雑性PTSDと呼ぶ」との記述である。さらに、「(複雑性PTSDの症例の一つである)『境界性パーソナリティ障害』の75%が近親姦の体験者である」との記載である。マコがこの病名にこだわったのには彼女の深慮と抗議・告発が込められていたと読むのは穿ち過ぎだろうか?この件については2019年12月に当ブログ記事にしている。
もし私が想像したことが事実なら、実におぞましいことが父と娘間にあったということ?そうなると、この記事にも書いたようにマコは被害者であり、適切な治療観察の下に置くべきだろう。秋篠宮が結婚を認めたのには、自身の娘からの告発・報復?に屈っせざるを得ない事情があった?と考えてしまう。ましてや小室にそれを握られてしまっていては、結婚には反対できないだろう。