yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

明るいニュース「新型コロナのあらゆる変異株に効く方法が見つかる」(reported by 緩和ケア院長大津秀一医師)@YouTube 

YouTubeで発信されている緩和ケアチャンネルの大津秀一医師のチャンネル。コロナ禍最初の頃から視聴させていただいている。常に海外発表論文を主とし、エビデンスに基づいた検証の発表を心がけておられて、SNSで入手可能な情報のうち、もっとも信頼できるチャンネルのひとつだと思う。リンクしておく。

www.youtube.com

 

ワクチン接種でも感染が防ぎきれるわけではない、感染力が従来の株よりも格段に高いデルタ株。恐ろしい勢いで感染者増。都市部では医療崩壊がおきてしまっている。政府の無能・無策に怒りを通り越して無力感に苛まれてしまう。その中で、大津医師のこのチャンネルを常々参考にさせていただいてきた。昨日の記事が上のタイトルである。煽りではなく、科学誌Natureの記事の紹介である。久々の明るいニュースで、それも画期的なもので、ぜひご一聴ください。ただし以下のdisclaimerが付いています。

新型コロナの感染は厳しい状況が続きますが、特大の良いニュースが一流医学誌に掲載されました。

それは驚きの方法で全変異株を抑える方法でした―。さっそく紹介します。

★医療の正しい情報を医師が専門的に解説する学術的な内容です。コミュニティガイドラインを守って作成しています。情報の信頼性は根拠となる研究を出しているかどうかで判断しましょう。

★まだまだこの発見も研究段階であり、まずは引き続き十分予防と対策を継続することが大切です。その点、よろしくお願い申し上げます。

Natureに掲載された記事、「Decades-old SARS virus infection triggers potent response to COVID vaccines」(8月18日付)をリンクしておく

www.nature.com

このNatureの記事のソースはNew England Journal of Medicine に掲載された論文、「Pan-Sarbecovirus Neutralizing Antibodies in BNT162b2-Immunized SARS-CoV-1 Survivors」である。当該論文を上のタイトル部にリンクしておく。

この論文は大津医師が「プロジェクトX」的と感心している研究についてのもの。研究主導したのはシンガポールのウイルス学者(たち)。

研究者たちは、SARS-1(これは20 年前にアジアで流行したいわゆる「SARS」)を生き延びた人々の体内に残った抗体が、新型コロナ=SARS-2に対する治療に何らかの手がかりを与えてくれるのではないか、それを検証した。ファイザーのワクチンが出た時、以前にSARS-1に感染している人にこのワクチンを打つことで、彼らがどういう反応を示すかを調査した。「サルベコウイルスの中にコロナもSARSウイルスも含まれる。SARSの生存者に(ワクチン)免疫することで、パン・サルベコウイルスの中和抗体を得た」というのが実験結果だった。その詳細は以下。

  • SARS-1から回復した8人のワクチン接種への参加者はワクチンを一回投与しただけでもSARS-1及びSARS-2に対して非常に高レベルの中和抗体を産生した。
  • さらに衝撃的だったのは、これらの接種者から何と変異株3種(アルファ、ベータ、デルタ)の他に(5つのコウモリ、及びパンゴリンサルベコウイルスに対して)全てのウイルスに対して広範囲の中和抗体を得ることができた。
  • 導き出された仮説は、「ワクチンがSARSウイルス領域の免疫系の記憶を揺さぶって、広範な保護が生じる」。つまり、「サルベコウイルス全般への一定以上の保護を身につけることができる、そんなワクチンの開発の可能性が開かれる」。

結論としては、このことによって、あらゆる変異ウイルスへの抗体を持つ次段階のワクチン開発の展望が開けるということ。結論部をスクショしたもの。

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科学者でも医者でもないので、そのすごさがいまいちピンとはこないのではあるけれど、つぎつぎと出てくる変異株全てに有効なワクチン開発に一条の光がさしてきているのかもしれない。そう信じたい。

大津医師はこの少し前の動画でもいくつかの有望な経口治療薬開発の状況についても丁寧に解説しておられる。こちらも明るいニュースで、すでに治験が終わりつつあるものの紹介もされている。その中に日本の製薬メーカー発のものもあり、期待が持てる。