yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

荒城月太郎さんが建てたハチャメチャ芝居『西遊記』劇団荒城@浅草木馬館10月24日夜の部

座長勘太郎さんの解説によると、月太郎さんが建てた新作だそうで、この公演が(月太郎さんの誕生日公演を入れて)三回目だとか。私は中国古来の伝奇小説には疎く、もちろん『西遊記』もかじったことはない。だから舞台で見るのが新鮮だった。 

問題は三蔵法師、孫悟空、猪八戒、沙悟浄以外の人物(?)が全くわからないこと。この日も金角という名のみを確認できただけ。ちょっと口惜しい。 

孫悟空(勘太郎)、猪八戒(祐馬)、沙悟浄(蘭太郎)たちが三蔵法師(結雪)に率かれて修行の旅をかける途中で、妖怪退治をするという主筋はそのままだった。ただそこに孫悟空を父の仇とつけ狙う剣士(月太郎)が絡んでくる。つまり妖怪退治と仇討ちがセットになっている。その剣士をたぶらかし、悟空が仇だと諌言した妖怪は金角(真吾)だった。Wikiに当たっても、この金角を確認できただけで、他の人物の名がわからない。月太郎さんはどこでこの情報を入手されたのか、興味深い。研究熱心というか、真吾さん、勘太郎さんとは違った路線で勝負というのが面白い。しかも孫悟空と競う剣士で、無念の最期を迎える。そして後を悟空に託すという設定も、面白い。お父上に敵役を振るのもおかしい。

真吾さん、ご子息たちヤングに負けじと棒を豪快に振り回し(あの狭い舞台でですよ)、飛び上がり、飛び降りと八面六臂の大活躍。ものすごい迫力で(前座席に座っていたので)怖かったくらいです。しかし、すごかった!前日に見た新橋演舞場の『オグリ』の立ち廻り、殺陣をはるかに超える迫力!それも目の前で観れるという幸運に感謝。運動神経がよほど良くなくては、この舞台は務まらないでしょう。

傑作だったのが悟空を訓練する仙人役の虎太郎さん。チャイナドレスもどきのドレス(横スリットから下着がのぞいていた!)に頭はハゲ鬘。一座で最も身長が高いので、登場するだけで「おおっ!」という声があちらこちらから聞こえる。勘太郎さんにばちばちと殴られながら、最後までめげずに笑いをとっていました。

衣装といえば、孫悟空、金角、そして月太郎さん演じる剣士の衣装がすごかった。兵馬俑を参考にしたのかと思うほど。微に入り細に入っていたのは、おそらく月太郎さんの「こだわり」だろう。