厳かではあったけれど、どこかゆったりしていた「糺能」。初めての参加だったが、来てよかった。清新な令和の御代にふさわしい、清々しい出しものだった。平安神宮の薪能のような、関係要人の挨拶がないのもよかった。途中雨がかなりきつくなってはきたけれど、それが積もり積もった古い因習の垢を洗い流し、隠れていた身体を顕すのに、大きな働きをしている気がした。
本殿につながる能舞台は、能成立当時の面影を残している。そこでの演能は幾重にも意味があるように感じた。感激しながら、一部始終に「参加」することができたのは、何にも代え難い財産になった気がした。おそらくは同じ想いを共有した人たちが(おそらくは)5、6百人はいたであろうことが、何にも増して心強かった。大げさに言えば、ある種の運命共同体の中にいる感じだった。観客は京都人がほとんどだったのでは?
開演前に慌てて撮った写真をアップしておく。
私の席は会館になっている能楽堂では存在しない席だった。つまり、右手の脇正面。一番安い席だったので、文句は言えません。というか、よく見えました。居囃子では、笛の杉市和師、小鼓の大倉源次郎師の演奏姿は、かなり視界がありました。シテ、地謡の方々は後ろ姿を見るのみでしたが。
二つ目の仕舞「大典」はシテが大槻文蔵師だったこともあり、ほぼ問題なく進行、最後の能「吉野天人」へとスムーズな引き継ぎができていた。当日プログラムは以下。
一、居囃子「神歌」
シテ 浦田保浩 浦田親良
地謡 浦田保親 田茂井廣道 松野浩行 樹下千慧 笛 杉市和 小鼓 大倉源次郎
二、仕舞「大典」
シテ 大槻文蔵
地謡 浦田保親 味方團 田茂井廣道 大槻裕一
三、能「吉野天人」
シテ 林宗一郎 ワキ 有松遼一 アイ 茂山千五郎
笛 杉市和 小鼓 大倉源次郎 大鼓 河村大 太鼓 前川光範
後見 大槻文蔵 味方團 大槻裕一
地謡 浦田保浩 浦田保親 田茂井廣道 松野浩行 樹下千慧 浦田親良
また、公式プログラムがとても素敵だったので、アップしておく。