yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

羽生結弦選手の「ファンタジーオンアイス2018幕張」での衣装はガンダムのmobile suitを模していた?

Chemistryの歌うWings of Words に乗っての演技。復活を確信させる超絶ジャンプとなめらかなスケーティングは、まさに王者にふさわしいブリリアントな演技でした。特に怪我やその他諸々の雑音から解き放たれた解放感を強烈に感じました。モダンダンスのようなステップにそれが顕著だったように思います。天に向かって腕を大きく開いてくるくると舞うさまは、従来の妖精のような雰囲気から脱皮して、大人になった「羽生結弦」をアピールしているかのようでした。それでもやっぱり妖精でしたけど。

ただ、肩に付いたエポレットのようなヒラヒラが気になりました。歌のタイトルにある翼を演出しているのかと思ったのですが、それでもいささか違和感があります。Wings of Wordsが『機動戦士ガンダムSEED』シリーズの中で使われたものだとわかって、腑におちました。英語ではこの作品名はMobile Suit Gundam SEED となるからです。ガンダムでは登場人物がmobile suitと呼ばれる架空のロボット兵器を装着するんですよね。まさにタイトルそのもの。以下、ガンダムファンのサイトからの画像。

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ガンダム

歌詞は「kasi-time」さんのサイトにアップされています。参照させていただきました。

www.kasi-time.com

男性が女性の思い人への愛を告白しているような歌詞ですが、ガンダムの内容から見ると、私には男の子同士の堅い絆を描いているように感じられました。「翼」が表象するのはそれぞれが身につけるmobile suit。確かにmobile suitの背中には翼が付いています。(このシリーズ作品を見ていないので)ネットで収集した情報のみで間違っているのかもしれませんが、主人公のキラ・ヤマトとアスラン・ザラ、そしてシン・アスカは友情で結ばれています。羽生結弦選手も他のスケーター(戦士)たちと、分かち難い友情で結ばれている。それを自ら祝福しようとしたのがこの選曲だったように感じました。

もっと強いアリュージョンがあるのが主人公が「アークエンジェル」であること。「Archangel」とは大天使のことで、非常に宗教色がつよい概念です。ユダヤ教に始まり、キリスト教、さらにはイスラム教にも入っていった概念です。キリスト教文化圏の人がこの言葉を聞いたら、即そのイメージが頭に浮かぶはず。しかもArchangelの特徴はその大きな翼です。だから翼とはガンダムの主人公の装着するmobile suitであると同時に、大天使の翼でもあるのです。それにしてもアニメ製作者の方々がギリシア、ラテン、そして古代ヨーロッパの文化、宗教にいかに造詣が深いか、常々感服しています。そして、おそらく羽生結弦選手自身も、それをご存知の上でこの曲を使ったのでしょう。

これらすべてを背負って羽生結弦選手は演技しているのではないでしょうか「SEIMEI」では日本版陰陽道の世界を描き、今度はキリスト(イスラム)教圏的な宇宙を描こうとしているように感じました。いずれにしても極めて宗教性が強い選曲だと思います。彼が「天」から遣わされた人だと、またもや強く感じました。

 このスケーティングの振り付けはご自身でされたとか。縛りなく自由闊達に、時としては即興で演技しているのがよくわかります。伸びやか。そして自然。やっぱり美しい!