yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

「狂言でも笑うな!」 との暴言

これは一昨日、京都観世会館で狂言、「盆山」を観劇中に前に座っていた高齢女性に実際に言われたこと。狂言ですからね、可笑しいんですよね。茂山千三郎さんですからね、そりゃ上手いですよ。笑っていたら、当該女性、なんども後ろを振り向き私を睨みつけ、「笑うな!」って。こちらも腹がったったので、「気が違ってんじゃないの!頭、オカシイ!」って言い返したんですが、そうしたら、「声を立てずに笑え!」と命令。あきれました。そんなにばかでかい声で笑った覚えはないんですけどね。

当方、芝居オタクで観劇歴数十年。日本だけでなく海外でも結構な数演劇は見てきたけれど、「笑うな!」と言われたのは初めて。英米ではスタンドアップコメディのみならず、普通の芝居を見ている最中に周りが大笑い。でも内容に疎い当方は笑えなくて悔しい思いをしたことは度々だった。まして、笑うことを止められたことはなかった。ありえないこと。だからこの暴言に唖然としてしまった。

当該女性、最初の能が始まるずっと前から自分の席のみならず隣席にも袋を置いて他の人が座れないようにしていたので、最初から変な人だとは感じていたんですけどね。よほど真剣に見たいせいかと思っていたら、なんと能の間ずっと寝ていた。能は二番あり、その能の間に狂言が入るという常套のパターン。その狂言観劇中の事件。で、その女性、途中で扉を思いっきり大きな音を立てて退出。

能はいわゆる悲劇だから、間狂言で観客にちょっとホッとくつろぎ、笑ってもらうというのがその主旨のはず。だから笑わない方がオカシイ。笑う際は当然声がでる。これは当然。

そのあと最後の能のときには戻ってきていた。ただし、こちらの能でもほとんど寝ていた。あと30分を残すばかりのクライマックスのところで、なんと荷物を持って退出。帰ったのかと思いきや、地謡方の祝言のところで、席に戻ってきて何やらごそごそ席近辺を探し、そのまま脱兎のごとく出て行った!こちらを見もしないで。唖然。

あのような「命令」口調を取るのは元教師、それも小学校か中学校の?おかっぱ頭で白髪の方が目立つ髪型。いかにも教師然としていた。当方も高校の教師をしたことがあり、同僚にもあのような輩がいたナなんて。非常に不愉快で、せっかくの素晴らしい狂言、能の感興がぶち壊された。そんなことをする権利はないはず。いくら年長者でも。

だから高齢者は嫌い!って思う。確かに観客には高齢者が多いので、能であろうが狂言であろうが反応は鈍い。時々演者が気の毒になる程。でも、舞台はどんなものでも演者と観客で成立するもの。それがわからないようでは、観劇する資格はないと思う。観客仲間の反応が煩わしいのなら、家でビデオを見ていればいいだけの話。海外のようにやんやとはやしたり喝采したりしろとは言わないもでも(日本人は大体大人しめ)、能の観客ももう少し舞台参加をした方がいいのかも。お通夜のようだったら、次回見ようとは思わないでしょ、とくに若い人は。

こういう輩が出没する能公演はできるだけ避けたい。もし万が一出くわしたら、劇場関係者にあらかじめ伝えておこうと思う。