yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

五嶋龍さん司会「リズム歌謡の音楽会」in「題名のない音楽会」テレビ朝日

番組サイトからの情報が以下。リンクしておく

「お祭りマンボ」「東京ブギウギ」など、昭和の歌謡曲は「リズム」から始まりました。今回は「リズムの変遷」という視点から昭和歌謡を特集しました。

本日の楽曲一覧。

♪1:笠置シヅ子『東京ブギウギ』

♪2:美空ひばり『お祭りマンボ』

♪3:美空ひばり『ひばりのチャチャチャ』

♪4:浜村美智子『バナナ・ボート』

♪5:小林旭『アキラでツイスト』

♪6:渡辺マリ『東京ドドンパ娘』

♪7:橋幸夫『恋のメキシカン・ロック』

演奏は全てエリック・ミヤシロ EMバンド/ビッグバンドの演奏者たち。とても素敵だった!司会は五嶋龍さんだったけど、今日はあまり喋られなかった。彼の畑違いのジャンルだったから?その代わり素敵な解説者が。大阪大学准教授の輪島裕介さん。近著はダンスとリズムから昭和の歌謡史を再検討した『踊る昭和歌謡』(NHK出版新書)。

ブギウギ、マンボ、チャチャチャ、ツイスト等を日本に広めるきっかけをつくったのが美空ひばりだったとは!彼女の先見の明に改めて思い至る。昨日、たまたまつけたBSジャパンでひばり特集をやっていた。『二大歌姫伝説 〜テレサ・テン 美空ひばりへの熱き想い〜』。テレサ・テンとの共通点と接点を探し出すというもの。私は10年前に博論を仕上げた後はひばりをテーマにしたいと考えていた。現在頓挫しているけれど。ここ立て続けにひばり関連番組が増えているのは、彼女の命日が1989年6月24日だからだろう。

誰かがキチンとした評論の形で遺すべき人だと思う。歌謡史においてだけではなく、日本の文化史、特に大衆芸能においては絶大な軌跡を残したもっとも重要な人物だから。彼女に比肩する芸能者は他にいない。

大衆演劇の舞踊曲でしばしばかかるのは、彼女が今なお大衆に深く広く受け入れられているからだろう。カバー曲としてかかる場合もあるけど、どれも本家には到底及ばない。巧拙というより(もちろんひばりさんほど上手い歌手はいないのではあるけど)、心の琴線に響く、深く心に沈潜する歌声だから。技巧を超えた何かがある。

本日の「題名のない音楽会」はあくまでもリズム歌謡の変遷と終焉をたどるものだったので、ひばりそのものを深く掘り下げることはなかった。昨晩のBSジャパンの番組もどちらかというとテレサ・テン寄りではあった。それでいいのかもしれない。ことさら言挙げしなくてもいい、そんな必要はない歴史の風景にしっかりと納まっているから。それも決して消えない心象風景の一つとして。それが「美空ひばり」が美空ひばりたる所以であるような気がする。それにしてもいつ私はこのプロジェクトに取りかかれるのか。

五嶋龍さんからの今日の格言。
「あせらず、おこらず、あきらめず」。美空ひばり座右の銘だったよう。