yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

「ウタフクヤマ 市川猿之助」、フジテレビ5月1日(2015年10月11日の再放送)

元の番組案内は以下。

ウタフクヤマ 市川猿之助 2015年10月11日<番組内容>
市川猿之助がゲストで登場する<出演者>
福山雅治、リリー・フランキー、桐谷健太、小室哲哉、市川猿之助

ゲストの猿之助が「兄弟船」を歌った。なかなかのもの。大衆演劇舞踊曲の定番中の定番。三味線の音を微妙に半音外すと色気が出るというの、まさにそう。コップを使って、この「微妙」をギターで表現する福山。

番組の録画がpandoraで観れる。画像が微妙だけど、リンクしておく

ド演歌を猿之助が披露するのにも驚いたけれど。さらなる驚きが待っていた。なんと!「夢芝居」の実演。「ワッー」と叫んで手を叩いてしまった。福山がギターで「夢芝居」を弾く。それに合わせて、スーツ姿の猿之助が大衆演劇様の舞踊を踊る。即興の思いつきのようだけど、素敵。猿之助、口は半開き。もちろん梅沢富美男御大の模倣。身体の捻り、手の振り、まさにそれ。外しの色っぽさ!でもさすが猿之助、形が綺麗。後で、この手は麻雀のそれだと解説。優雅にやるとわからないんだそう。やんやの喝采の一同。「年取ったら、温泉場回りません?」なんて二人で調子を合わせていた。大衆演劇の独特のワクワク感がよく出ていた。また演者のそれと、客とのそれが感応し合う感じ、うまく出ていた。あんまり「感動」したので、この録画を何度も見てしまったほど。

そういえば猿之助は幾つかの大衆演劇の劇団座長に褌を送っていたんだっけ。劇団荒城の真吾さんにも。木馬館でそれを見たとき何となく「やっぱり!」って思った。

一つ猿之助に強く共感したこと。それは「時代劇をなくしちゃダメでしょ」という発言。テレビ番組で時代劇といえば、NHK の大河ドラマくらいになってしまったんでは。BSで「鬼平」をやっているのを見たことがあるけど、あまり人の見ない時間帯。プライムタイムに乗ることはほとんどない。猿之助の「危機感」、よく分かる。

今や大衆演劇にしか時代劇は残っていない。歌舞伎の演目はいわゆる「時代劇」とはちょっと違う。でもその大衆演劇の時代劇、しっかりとした「後見」がいないから「時代考証」ができていないことが多いのかも。以前若丸劇団の観劇で知り合った方が、多くの劇団で目にする十手の房の「誤り」に言及されたことがある。なるほどと思った。私など、こういうことに無知、かつ無関心だったので、感心してしまった。いずこにも「通」がおられる。

ネットでもある程度、情報収集できる。それらをまとめると、そもそもいわゆる岡っ引きは同心が私的に雇用しているアシスタントで、十手は持てない。捕物の時だけ、十手を岡っ引きの上司の同心から借り受けていたが、その十手に房はない。時代劇(つまりフィクション)に出てくる同心の十手の房は赤。「鬼平犯科帳」で検証してみるつもり。こちらはきっと時代考証はきちんとしているだろうから。こういう考証ができる人たちが、テレビ時代劇が廃れて行くにつれていなくなっていることを、猿之助が嘆いていたけど、同感。