yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

トランプ氏創設の「トランプ大学」の詐欺疑惑(産経新聞 3月20日(日)

yahooニュースで配信された産経の記事。タイトルは「トランプ氏“詐欺”疑惑『トランプ大学』」で副題が「不動産王が投資指南宣伝もただの自慢話」となっていて、笑った。

先日、ここにアップした記事で、トランプ氏に言及したばかりだったので、あまりにもタイムリー。彼は自身の出身校、ペンシルベニア大学ビジネススクール、ウォートン校の名を使って、「トランプ大学」なるものを創設、「ウォートン校並みの専門的な授業を受けさせる」という謳い文句で、学生を集めていたらしい。実態はひどいものだったよう。「3万6千ドル以上払ったのに、教育らしい教育を受けなかった」という受講生の怒りがそれを表している。

ウォートン校はビジネススクールとしては毎年、全米のビジネススクールランキングでトップ、もしくは2番に位付けされる名門中の名門。大学はこの不動産王ならぬ暴言王の言動にさぞ困っているだろうと、ペン大発行の学生新聞、「Daily Pennsylvanian」を覗いたら、大学当局は無視を決め込んでいると書いてあった。でもそれで済まないのがアメリカ。産経の記事によると、先日ウォートンで「地元記者を招待した集中講義を主催し、2人の看板教授が米国経済の肝をなす不動産市場と金融政策を教える公開授業をした」とか。授業後、記者がトランプ氏について質問したところ、教授は、「私は何も知りません…」と答え、質問した記者のもとから足早に立ち去ったという。大学がいかに当惑しているかがよくわかる。

ウォートン校といえばペン大の花形。アメリカ全土の、はたまた世界中の(ビジネスで成功した裕福な)卒業生からの多大な寄付で潤っている。校舎自体、それに設備等も、私がいた人文学部に比べると月とスッポンほどの豪華さだった。図書館のセミナールーム等の設備も、ウォートンの卒業生からのものが多々あった。先日記事を書いてから思い出したのだけれど、ヴァンペルト図書館にかけてあった寄付者名一覧の中に、確かトランプ氏の名前もあったような。

トランプ氏が有名になったのは某テレビ番組で彼が起業希望者に言う「You’re
fired!」だったのだけど、その頃は彼がまさかペンの卒業生とは思わず、「話題作りの目立ちたがり」くらいの印象だった。隣のニュージャージー州のアトランティック・シティに彼が立てたトランプタワーが人手に渡ったと聞いて、不動産王も破産かといったくらいの感慨しかなかった。

あの俗っぽさの極みのような言動。東部エリートとは懸け離れた風貌。アメリカでの大統領選では、丁度今が活況を呈してくるとき。大学では学期末が目の前。ということで、共和党民主党双方の大統領候補者がキャンパスを訪れ、講演会、討論会を開く。私が見た候補者たちは、皆エリートを絵に描いたような人たちだった。この点、日本の政治家の比ではない。頭の中身も。そんな空気の中で、ジョージ・W・ブッシュ元大統領がどれほど「バカ」にされていたことか。彼はいわゆるエリートっていう感じじゃない。一応イェール大出身ですけどね。トランプ氏に至っておや。きっと公開討論会には呼ばれないだろう。大学当局は彼のことを「恥」と思っているようだから。

でも、一体どうなるんだろう。トランプ氏が大統領に選ばれでもしたら、アメリカは分裂状態になるかもしれない。アメリカがアメリカたるところの自由経済を否定しているから、経済もこけるだろう。かといって、ヒラリー・クリントンはもっと嫌いだし。どちらがなっても、日本にとっていいことはなさそう。共和党、なんでこんなことになってしまったんだろう。ブルームズバーグNY市長が主旨がえをして、共和党から出馬してくれたらよかったのに。残念。