yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

フィラデルフィア近郊のアムトラック事故

12日のことだった。ニュースで見て、ぞっとした。以下の記事。

事故が起きたのは、フィラデルフィア郊外の『30th Street』駅から北へ数マイル先の左急カーブ。国家安全運輸委員会(NTSB)による運転記録装置の解析調査によれば、事故列車は制限速度50マイル(約80km)のところを2倍以上の106マイル(約170km)でカーブに近づいた。運転士は直前に緊急ブレーキをかけたが、速度が102マイルに落ちた約3秒後に脱線した。NTSBは今後も運転士への聞き取り調査などを続け、原因の徹底解明を行う(ワシントン・ポスト紙=WP)。

8人の方が亡くなったという。この路線のアムトラック事故は久しぶり。まさに「まさか!」。思いもかけない災難だったに違いない。

現場は30th Stationから数マイル先だった。この30th Stationはペンシルベニア大学キャンパスから歩いて10分ちょっとのところで、アムトラックだけでなくSEPTAとよばれるトロリーやら地下鉄等のフィラデルフィア広域交通の最大のターミナル。よく利用した。ここ、記事にあるような「フィラデルフィア郊外」ではありません。Center Cityと呼ばれるダウンタウンまで徒歩10分程度だから。

アムトラックは高いので、NYに行くときはSEPTAとNew Jersey Transitの電車を乗り継いで行った。バスも時々使った。アムトラックは特別な機会に乗るのみ。去年5月にフィラデルフィアに舞い戻った折にNYまで乗ったけど、学生のときは分不相応な気がしていた。距離の割には高く、敬遠する人も多かったのでは。車内はいつも空いていて、その点では快適だったけど。

ボストン、プロビデンス、ニューヨーク、フィラデルフィア、ワシントンDCと繋がる路線は、それでも一番利用客は多かったのだろう。プロビデンスに一年いたときにも、ボストン、DCに行くのに使ったことがあったっけ。この路線、「Metro North」とよばれる路線で、少しは本気を出した(?)アムトラック社がAcelaという「高速列車」を投入したところ。去年5月にもこれに乗ってNYに行ったのだけど、大して速くない。日本の新幹線と比べると遅い。それに定刻発車を守れるのは(多分)8割程度。列車発着を表示する駅の巨大掲示板の前に普通より多い人だかりができているときは、たいてい遅発の列車時刻を確認しているため。ドイツ以外はヨーロッパも似たようなもの?

日本の鉄道の速さ、正確さ、緻密さと比べると信じられないほどの後進性。でもそれをあまり酷いこととは考えないのがアメリカ流。今回の事故もそういう連鎖の上に起きたのかもしれない。なにしろ百年前の線路っていうんですからね。福知山線事故を想起したけど、事故原因がかなり違っているような。過密ダイヤをこなすために無理をしていたフウではないようなので。

日本が「リニア」を売り込もうとしているようだけど、どうなんだろう。たしかアムトラック社は一度経営破綻している。多くの人が飛行機を使うから、利用者が少ない。とにかく資本が足らない。それに今の鉄道だと速さでは飛行機に軍配があがる。でも飛行場まで行かなくていいという点では、リニアを選ぶ人もいるだろう。安全性に関しては日本の新幹線は世界に誇れる実績を持っている。日本にとっては日本の優れた技術に裏打ちされた「安全な鉄道」を世界に宣伝するよい機会になるわけで、成功して欲しい。