yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

Act One @ Vivian Beaumont Theater (at Lincoln Center) 5月11日マチネ

貧しいユダヤ系移民の家庭に生まれた男の子が劇作家として成功するまでを描いた(私にとっては)きわめて興味深い芝居。Moss Hartという劇作家の自伝の演劇化のよう。恥ずかしながら、初めて知った名前。主人公のMoss Hartを例の(NHKのBSでも放映された)Monkシリーズの主演をしたTony Shalhoubが演じていた。一人で成人してからのHart、Hartの父、Hartと組む有名な脚本家のGeroge Kaufman(彼もユダヤ系)の三役を演じた。でもどの役でもMonk臭がするんですよね。それを逆手にとって、あの「清潔フェッチ」のMonkのマンネリズムをふんだんにとりこんで、観客の笑いを誘っていた。Shalhoubは確かアルバニア出身だった。

舞台装置は歌舞伎仕様が多かった。まず廻り舞台。円い舞台が4つに仕切られ、それぞれの場面で最も適したものが前面に出る。これによって、場面転換の時間が節約される。もちろん同じ仕切りを使う場合でも毎回多少の新しい追加等の変化はあるのだけれど。この効率の良さでほぼ3時間びっしりというのは、ドンダケ―(古!)である。全編セリフに次ぐセリフ、役者泣かせだろう。とくに主演の二人はさぞたいへんだっただろうけど、そんなのは微塵も感じさせなかった。リンカーン・センターに呼ばれる役者はさすがである。

その他歌舞伎を模したと思われるのが二つの花道。途中で階段を下におりるという構造になっていたが、あれはまさしく両花道。有効につかわれていた。この劇場自体は大きすぎず小さすぎず、ちょうどよいサイズ。600人程度の収容人数だと思う。二階席からもとてもよく見えた。でもこれで92ドルは少々高い気がしたけど。それでも篤志家の寄付を仰いでいるようで、演劇がいかにお金のかかるものかをよく示している。それを考えると、商業ベースに乗せている日本の大衆演劇の劇団は考えられないほどの努力をしていることが分かる。

本年度(2014)のトニー賞候補作とのこと。

二階席から撮った開演前の客席と舞台。

サイトからの英語のキャストと芝居内容は以下。


Bob Ari , Bill Army , Will Brill , Laurel Casillo , Chuck Cooper , Santino Fontana , Steven Kaplan , Will LeBow , Mimi Lieber , Charlotte Maier , Noah Marlowe , Andrea Martin , Greg McFadden , Deborah Offner , Lance Roberts , Matthew Saldivar , Matthew Schechter , Tony Shalhoub , Jonathan Spivey , Wendy Rich Stetson , Bob Stillman , Amy Warren


Growing up in an impoverished immigrant family in the Bronx, Moss Hart dreamed of being part of the glamorous, magical world of show business- someday, somehow. From dropping out of school to becoming the toast of the town, his autobiography ACT ONE recounts the making of a Broadway legend.

Now Lincoln Center Theater presents ACT ONE, wonderfully adapted for the stage by Tony Award-winning writer and director James Lapine (Sunday in the Park with George, Into the Woods). A cast of 22 plays over 40 parts in this funny, heartbreaking and suspenseful portrait of the artist as a young man.