yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

オペラ 『Madame Butterfly (蝶々夫人) 』@ メトロポリタン歌劇場、NY 5月9日

感動の嵐!7時30分始まりで終わったのが10時50分。幕がしまったその上にCG画面でタイトルの『蝶々夫人』が美しい文字で浮き上がってきた。カーテンコールはごくあっさりとしていた。

感動して泣いてしまった。目が赤くなったので恥ずかしかったけど、きっと他の観客も同じだったに違いない。3時間以上も立ちっぱなしだったが、その甲斐は十分すぎるほどだった。

特筆すべきは主演の蝶々さんを演じたNui He。中国出身で今までに世界の名だたる劇場でプリマをやっている。美人ではない。いわゆるムーンフェイス。でも途中からは美貌の悲劇の主人公に見えてくるから不思議。もっとも最初からその歌声の素晴らしさは感動ものだったけど。加えてその演技力!

次に圧倒されたのが日本の人形浄瑠璃を思わせる舞台設定。蝶々さんとピンカートンの息子の五郎は人形遣いが遣った。それも三人で!ともに黒衣で。また、第三幕のはじめには蝶々さんの夢想の中に出てくる「蝶々さん」を人形が演じた。他にも舞台の小道具、大道具を出したり、使ったりするのはすべて黒衣がやった。以前にみたイギリス人演出家の『春琴』とは雲泥の差。これ以上ないほど効果的に人形が使われていたし、また技術も非常に長けていた。プログラムに「人形遣い」の説明が詳しく出ているが、文楽を模したと明記してある。西洋の人形劇では糸を使うところを、三人の人形遣いが人形を操ると。

スクリーンに中途半端な映像を映していた「杉本文楽」とも全く違って、隅々まで緻密に計算された演出で、大道具、小道具が鑑賞の邪魔にならず「えっ、これなに?」と思わせるところなど微塵もなかった。あっぱれ! それにしてもやっぱりMETは世界一である。歌手もだけど、それと同じレベルかそれ以上の演出家。そして照明師。また大道具、小道具、CGスクリーン。すべてが一糸の乱れもなく見事に調和していた。

もう夜中の1時近いので、あとは後日。