yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

松緑の『新歌舞伎十八番の内 素襖落』in 三月花形歌舞伎@京都南座 3月2日初日昼の部

以下「歌舞伎美人」のサイトからの引用。

二、新歌舞伎十八番の内 素襖落(すおうおとし)
<配役>
   
太郎冠者 松 緑
太刀持鈍太郎 亀 寿
三郎吾 巳之助
姫御寮 新 悟
次郎冠者 松 也
大名某 権十郎

<みどころ>
◆ 新歌舞伎十八番の嚆矢となった喜劇味溢れる舞踊劇
 
伊勢参宮を思い立った大名が、叔父を誘おうと、太郎冠者を叔父の館へ向かわせますが、あいにくの不在。名代の姫に酒を振舞われ、太郎冠者は盃を重ねます。源平合戦の「那須の与一」の件(くだり)を語ってみせ、さらに素襖まで頂戴しますが、帰宅した太郎冠者は酩酊状態。決して渡すまいと隠していた素襖を大名の前で落としてしまっても気づかない始末です。そして、素襖を巡って大名が、太郎冠者をからかうのでした。
 

狂言をもとにした松羽目舞踊の嚆矢となった作品です。竹本と長唄の掛合いでお贈りする喜劇味溢れる舞踊劇をお楽しみください。

少し遅れて、途中からだった。でも大事な部分は見逃さず一安心。ちょうど太郎冠者が「屋島」を踊っている場面だった。たしか松緑はお祖父さまの松緑のあとをついで日本舞踊の家元。さすがに上手かった。矢を放つ与一の姿が彷彿とした。ちょっと粗い所作はあったものの、きちんと計算された動きだった。太郎冠者という役柄、あまり繊細な動きでなくてもよいのが、利したのもしれない。この方あまり器用な方ではないことは、以前の芝居から察せられていた。でもその分、鷹揚というか、ゆったりした役にはまると力が発揮できている。この役もまさにはまり役。

特に、姫から頂戴した素襖を隠したものの結局はバレ、「たのうだお方」である大名とその太刀持ちにさんざん虚仮にされるところのコミカルな演技は良かった。まさにツボにはまっていた。大名役の権十郎、太刀持ちの亀寿ともに、松緑に「つきあって」コミカルな演技が秀逸。抑えた所作が良かった。あまり松羽物をオモシロイとおもったことはなかったのだが、これは楽しめた。