そういえば去年11月も明生座公演だった。18日のお芝居、『生き返った幽霊』はこのブログの記事にもしている。大店の若旦那(たつみ座長)が自分の屋敷自慢をするところ、あまりのバカバカしさに今度も笑い転げてしまった。「太田胃散、いい薬です」のギャグもそのときと同様。でも「551の豚まん、あるとき、ないとき」のギャグは今回が初めてだったかも。去年よりも「暴走度」はいくぶんか控え目だったような。たつみさん、体調がお悪いようで、そのせいだったかもしれない。また、愛飢男さんが去年担当した芸者の間夫は瞳太郎さんが演じた。この間夫、「生き返った」若旦那にさんざん甚振られるのだが、そこはたつみさん、瞳太郎さんにはいささか遠慮気味だった。その分、おかしさは減じたかもしれない。
愛飢男さん、入院中とのことで心配していたら、今日(20日)には復帰しておられて、一安心。彼がたつみ演劇BOXにはなくてはならない方だということが、再認識できた。
今日(20日)は授業が午前中あったので、急いで駆けつけたものの劇場到着は1時をとっくに過ぎていて、お芝居も始まっていた。で、外題を聞きそびれてしまった。以前にこの劇団で観たことのあるお芝居だった。
江州の田舎を出て江戸に旅をかけている若い男(ダイヤ)が八王子の茶店で籠抜けにあい、田地田畑を売り払って作った百両を鳥追い女に盗られてしまう。茶店で食べた飲食代を払う金もなく、番屋へ連れて行かれそうになったところを、通りがかりの浪人に助けられる。浪人は若い男を「出世しろよ」と励まし、
当座の資金として二十両も恵んでくれる。若い男は江戸で目明かしになっている。自分が世話になっている同心の娘から、習い事をしている先の師匠が籠抜けの犯人の女らしいと聞かされて、その家を訪ねる。しかし、その女は今では若い男を助けた浪人と所帯を持っている。懐かしい恩人との「再会」を悦ぶ男、しかし憎い女がその浪人の妻であることが分かって、どう対処して良いのか悩む。一旦は家の外に出たものの、女を外に呼び出して、詰る。ひたすら謝る女。その場はそのままにして、男は立ち去る。家に戻った女は「申し訳がない」といって、夫の前で胸を突く。断末魔の苦しみのうちに、彼女は自分が犯した罪を夫に告白する。
番所へ戻った目明かしは、最近街中を荒らしている辻斬りの人相書きをみて愕然とする。というのも、それはまさに彼の恩人の顔だったから。その人相書きの付いた手配書をもって、浪人宅へ戻った男。女が自害したことを知る。浪人は観念し、彼に両手を差し出す。その男に捕えられるのは本望だと言って。
アドリブを入れるところがあまりなく、少し重めだった。