『スター・トレックイントゥ・ダークネス』(Star Trek Into Darkness)で悪役、ジョン・ハリソンを演じているのだという。
そういえば、看板で見たような。テレビでちらっとみただけだけど、すごい存在感だった。というか独特の「臭さ」があった。ただ者ではないと思って、ネットで調べたら、案の定の経歴だった。
現在37歳だが、すでに演劇界では確固たる地歩を築いている。2006年にロンドン、ウェストエンドのデューク・オブ・ヨークス・シアター(Duke of York’s Theatre)で『ヘッダ・ガブラー』のテスマン役を演じ、「ローレンス・オリヴィエ賞助演部門にノミネートされた」とWikipediaにあった。この劇場、この3月にエヴァレットの『ユダの接吻』(Juda’s Kiss)をみた劇場。
その後、映画、テレビに進出、BBCの『SHERLOCK (シャーロック)』でシャーロック・ホームズを演じて、注目を浴びた。2011年、ジョン・ル・カレ原作でトーマス・アルフレッドソン監督の『裏切りのサーカス』で、ゲイリー・オールドマン、コリン・ファース等と共演したという。あのノトリアスなオールドマン!そして舞台/映画版『アナザー・カントリー』でジャドを演じたコリン・ファース。となれば、『裏切りのサーカス』もみてみなくては。BBCの『シャーロック』はhuluでみられるようだ。
出身はロンドン。父母ともに役者だそう。パブリックスクールのハーロウ校で学んだという。道理で品がいい。それに、アメリカ俳優にも、日本の若い俳優にも滅多にいない明晰な頭脳を感じさせる。
それにしても、こういう存在感のある俳優/役者は残念ながらアメリカからは出ない。イギリス演劇の伝統の厚みを感じてしまう。性格俳優とか演技派といわれる役者は男女共に圧倒的にイギリス出身である。そして例外なくシェイクスピア劇で鍛えられている。日本の役者でも歌舞伎、それに大衆演劇出身の役者が演技力、存在感で抜きん出ているのは、やはり重い「伝統」の洗礼を受け、そこをかいくぐってきているからだと思う。