yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

マグノリア・サロンコンサート 6月15日(土)

池田の逸翁美術館にあるマグノリアホールで開かれた、とてもオシャレでそしてコージーなコンサートだった。

それにしてもサロンコンサートは本当に贅沢な楽しみである。去年、大阪のモーツアルト・サロンで若手ヴァイオリニストの演奏を聴いたが、小さなサロンでの演奏は耳福のみならず、心福にもなることを認識した。小さなサロンという空間に集う少人数の観客のために、演奏者が心をこめて演奏するのを聴くのは、大ホールでのコンサートのそれとはまったく違った質の楽しみである。その昔、ヨーロッパの貴族が開いていたサロンコンサートを彷彿とさせるものである。だからこういうこじんまりしたホールにいると、まるで王侯貴族にでもなったような気分が味わえる。

この日の演奏者は二人のオペラ歌手とピアノ伴奏者だった。ソプラノ歌手の端山莉奈さん、テノールの谷浩一郎さん、そして伴奏の北野友梨さんだった。端山さんも谷さんも演技派で、オペレッタのそれぞれのシーンを臨場感たっぷりに「演じて」みせてくれて、なんという贅沢!と感激至極だった。

谷さんの方はおそらく彼が演じたことのある『ほほえみの国』の中からのナンバーが多く、他方端山さんの方はこれまた彼女の演じた『こうもり』からのものが多かった。全曲9つあった中で二人の合唱も4曲にのぼり、これまた至福の時が味わえた。

去年ウィーン国立歌劇場の来日バレエ公演をみていたので、端山さんと谷さんの歌った『こうもり』中「時計の二重唱」には聴きおぼえがあった。このナンバー、とてもカワイイ曲なんですよね。社交界での男と女の掛け合いがみごとに音楽として結実した、いわば芝居の要素をふんだんにとりいれたオペラだからでしょう。

それぞれの歌曲の前に端山さん、谷さんのいずれかが、実に気のきいた解説をしてくれるので、観客もそれぞれの聴き所が前もって分る。その的確さ!知性のレベルも並々ならないことを窺わせるものだった。逸材ですよね。私は秘かに信じているのだが、きっと日本オペラ界で名を成す人たちだろう。願わくば、世界に飛び出て欲しい。十分通用すると信じている。それほどレベルの高いプログラムだった。二人の優れているのは歌唱力のみではない。演技力も抜群だった。オペラ歌手にも演技力が求められるようになった昨今、こういう優れた演技力は武器である。ぜひ日本に留まらず、海外に活動の場を広げて欲しいと切に願う。

蛇足ながら、端山さんはとびきりの美人である。彼女が歌っている間、呆けたように彼女の顔を注視していたのは、私だけではないだろう。谷さんもイケメンで、われわれ観客は単に「歌」で目の保養をしたのみならず、目の保養もできたわけである。

マグノリアホールでは毎週のように演奏会が開かれていて、若手の演奏家の発表の場となっている。観客もおなじみさんが多いようで、地域に根ざしたホールになっていた。