久しぶりにアメリカ映画のサイトをみていて、ミシェル・ウィリアムス(Michelle Williams)情報に行き当たった。なんでも彼女が主演したMy Week with Marilyn での演技でオスカー候補にノミネートされているという。授賞式は来年、2012年2月26日に開催される。
2006年に『ブロークバック・マウンテン』(Brokeback Mountain)が作品賞を逃してから、アカデミー賞にはまったく興味をなくしていた。このとき、ミシェル・ウィリアムスは助演女優賞の最終候補に残った。ただ賞は逃した。『ブロークバック・マウンテン』は主演男優賞も助演男優賞も逃したけれど、監督賞だけはアン・リー監督が獲得したので、少し溜飲が下がった。ただ、この賞の背景に政治が強く絡んでいることが分かったので、注意を払うのさえばかばかしくなっていた。カンヌやベルリン映画祭と違って、「一般人」も審査に参加するので、このような結果になるのである。この「一般人」がくせ者で、選定はかなり恣意的である。『ブロークバック・マウンテン』は、いまだもって強いホモフォビア傾向のある保守的な多くのアメリカ人には、蛇蝎のごとく嫌われていたから、賞を獲るはずがないのである。
My Week with Marilyn のトレーラーが出てきたので、おつきあいしたけれど、モンローの感じがうまく出ていた。彼女自身とはまったくちがったタイプの女性を演じるというのは、どうなんだろう。かえってやりやすいのかもしれない。『ブロークバック』のときは夫(ヒース・レジャー)の相手に嫉妬する妻の役をみごとに演じきっていた。再婚した先のキッチンで元の夫(ヒース)をなじる場面、息が詰まるほどの緊迫感をヒースとのあいだに醸し出していて、すごい女優さんだと思った。彼女といういうと、この場面が瞬時に浮かぶくらいである。当時ヒースとすでに同棲していたという。二人の間には女の子が生まれている。
彼女の名前をみただけで、あのとき毎日のようにRotten Tomatoesなどの映画サイトにアクセスしていたことが懐かしく思いだされた。『ブロークバック』応援サイトに入って、コメントをむさぼるように読んだっけ。批評家顔負けの鋭い分析に感動したり、ホモフォビアとおぼしき人のコメントに怒ったり、げんなりしたりした。アメリカ社会がそのような問題に関してはいかに保守的かとあらためて認識もした。