yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

マイケル・ジャクソンの "This is It"

なぜ世界中の人が彼の死をあれほどまでに悼んだのかが、よく分かった。といっても今ごろになって気づくのは too late ではあるのだけれど。メイキング映像なのだが、よくぞ録画しておいてくれたと製作者に感謝する。しかしこの前人未到のショーを現実のものにできなかったのは、かえすがえすも残念だし、あの世でマイケルもさぞ口惜しがっていることだろう。

私がアメリカにいた1997年から2004年には、彼はほぼ音楽活動を休止していたようで、アメリカでメディアの話題になるのはセンセーショナルなスキャンダルが多く、それもおもしろおかしく脚色したようなタブロイド紙的なものだったので、彼のイメージは決してよいものではなかった。ソニーとの確執も「マイケル側が理不尽だ」という報道のされ方をしていたように思う。

イメージに関してダメージが大きかったのはなんといっても「子供への性的行為」の報道だった。アメリカのテレビのエンター系のものは、日本の比ではないくらいえげつない過激な報道内容で、そういう下世話な内容を繰り返し繰り返しみせられると、先入観が否応なく刷り込まれてしまう。私はエンタメ系のテレビ番組を好んでみていたわけではないが、でも夕方の時間帯で4大ネットワーク(一番安いケーブルを契約していたのでこれらしかみれなかった)の番組は競ってエンタメニュース(ニュースとよべるかどうか怪しいけど)だった。それらがおもしろおかしく「みてきたようなウソをいい」といった姿勢での放送なので、マイケル・ジャクソンには好意をもちようがなかった。

だから、この This is It がマイケルの音楽のすごさだけではなく、彼の純真な人となりを伝えていることは、非常に意味がある。あの独特のシャイな語り口、繊細な表情、人を褒める優しさ、思いやり、そいういった彼の地が余すところなく映像化されている。

ダンスはもちろん超人としかいいようがない。その独特の雰囲気、オーラ、もちろん技術的にも超人なんだろうけど、それ以上にある種の精神の崇高さが感じ取れるダンスである。彼と一緒に踊っているダンサーたちも超一流のダンサーだが、彼らのテクニックでは表現できないなにかがマイケルの一つ一つの振りの中にある。それはもう「神」としかいいようのないレベルである。

それにあの声!表現力豊かな、繊細な、なんとも美しい声!2フレーズ聴いただけで、涙が溢れてきた。心の琴線に触れるというのは、これもテクニックだけの問題ではないだろう。高い精神性からこの音楽は生み出されていると実感できる。

そして!なんとカッコいい!あの年齢をまったくかんじさせない姿形に動き。まるで妖精(男性にはあまり相応しくない形容だが)のようである。

だからこそ長生きはできない運命だったのではないか。彼にとってこの世はかなり生きづらいところだったと思う。それでもミューズの神の申し子だった彼はそれでも身を削りつつ生きようとしたのだろう。でも神様が「そんな世の中、もういいよ。こちらへおいでよ」といって連れて行ってしまったのではないだろうか。

このDVDは妹に借りたものだったので、さっそく自分用にも注文した。

マイケル・ジャクソン THIS IS IT(1枚組通常盤)

マイケル・ジャクソン THIS IS IT(1枚組通常盤)

またこのDVDの中でいちばん気にいった「Earth Song」が収録されているCDも注文した。

NUMBER ONES

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  • アーティスト: マイケル・ジャクソン
  • 出版社/メーカー: ソニーミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2003/11/19
  • メディア: CD
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そしてアメリカのアマゾンのKindleで彼の伝記を注文した。