yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

記憶の「再生」:カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』

NHK教育でカズオ・イシグロ特集を放映していました。さすがNHK、民放のように「大衆」におもねないところは評価できます。構成もよく練られたものでした。

内容についてはまた明日にでも書きます。もう就寝時間をとっくにすぎ、明日の準備も残っているので、手短にどうでもいいようなミーハー的感想を。イシグロはカッコよかった!1954年11月生まれだから現在56歳。知的で渋くて、洋服の趣味もすてきで、日本の男たちのモデルにしたいくらいです。なんで中年以上の日本の男はダサイ人が多いのでしょうね。小説家であれなんであれ。容貌の美醜の問題ではないような。カズオ・イシグロだって決して「男前」じゃないですもの。でも魅力的でした。

彼の小説は「記憶」が核になっているのだということですが、確かにブッカー賞をとったThe Remains of the Day(『日の残り』)はそうでした。それ以外は読んでいないので、番組でもとりあげられていたNever Let Me Go をアメリカのアマゾンのKindle Storeで注文しました。

同時に以前から喉に突き刺さった小さな棘が再びうずき始めました。過去の記憶に怯え続ける中年男を主人公にしたフランス映画のタイトルが思い出せない。この映画は公開(2005年)直後に評判になり、滞在中のアメリカで観たのです。そこでキーワードで検索をかけて、やっと行き当たりました。やれやれ。タイトルは『隠された記憶』(HIdden) というのです。この映画、結局カンヌ映画祭の4部門の賞を獲得したということです。当然。すごい映画だった。それでいて、未だに結末にナットクできていないという、摩訶不思議な映画でした。