yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

どうしてアメリカの書店チェーン、Bordersが失敗したのか

Twitterでフォローしている磯崎哲也さんという方の情報で、Quoraという Question/Answerサイト(アメリカの「はてな」版というところか)でBorders破綻の原因を探っているということで、早速サイトに入ってみた。

これは「はてな」と同じく、投稿された質問(元の質問は、"Why is Barnes & Noble performing well as a business while Borders is near (or has even reached) bankruptcy?") に対して、個人が答えるという形式を採っている。表題の問いに対して、Mark Evansという人が回答している。なるほどと思われる理由を6項目列挙していた。

1.Internet販売の失敗。対応の遅さ。ebookマーケットへと繋げられなかった。その点で、Amazonは当初のネガティブな予想に反して、ビジネスとして成功させた。
2.出店地選択の失敗。B & Nに比して、Bordersの店舗は広すぎた。また、もとの店舗を一等地へと移すのに後ろ向きだった。
3.音楽CDの販売に力を入れすぎた。CDビジネスが斜陽になると、坂を転げ落ちた。
4.品揃えの豊富さを誇ったが、それに頼りすぎてオペレーションに失敗した。
5.店員に書籍の「専門家」をそろえる「エキスパートシステム」は意味があったが、さらなる研鑽を積まなかった。システム自体を発展させ得なかった。
6.B & N はスターバックスとパートナーを組むことで、その顧客を取り込むのに成功したが、Bordersにはそういうパートナーがいなかった。

上の回答へはいろいろなコメントが投稿されている。私自身も納得するところ、そうでないところがあった。まず1についてはあたっているだろう。2については、フィラデルフィアでは当てはまっていない。前のブログに書いたように、Bordersは既存店を一等地へと移動させたて、成功を収めていたから。ただ、他の地域では違ったのかもしれない。

3は確かに思い当たる節がある。CDビジネスへの見切りをつけるのが遅かったのは、大きなダメージだったと思う。音楽業界との密接な関係が影響していたのかもしれない。

4、5はBordersがB & N との差別化を強化、促進できなかったということだろう。たしかにそういう面があったのかもしれない。私が知っているBordersの店員さんたちは優秀だったが。

6は「へぇー」という感じ。個人的にはスタバはそんなに好きではないが、厚いファン層を考えると、他のコーヒーショップでは太刀打ちできなかったのかも。

日曜日に会った友人は大学教員を辞めてビジネスのオーナーになった人だけど、彼女もこのBorders破綻にはショックを受けていた。アカデミア関係者として、そしてビジネス当事者として、このニュースは二重に衝撃的だったようだ。でも、これを話題にする人が周りにいないといっていた。私ぐらいしか。

その彼女からKindleにグーテンベルグという音声化のソフトがあることを聞いた。朗読してくれるとのことである。読むよりも聴く方がはるかに楽なので、早速使ってみようと思う。つまり、彼女も私も「簡便さ」には抗えないということであり、Borders破綻のもっとも大きな理由はe-device対応に遅れたため、Amazonに敗北したということだろうか。残念で仕方ない。