yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

大衆演劇へのオマージュ:大衆演劇は歌舞伎を超えた? 2月5日

先月、つまり1月は朝日劇場で公演中の伍代孝雄劇壇に頻繁に出かけました。劇団の評判は以前から聞いていましたし、私自身も去年10月の新開地公演は3回観たのですが、ちょうどプライベートで取り込んでいて、劇団の力を思い知るところまで観る機会はありませんでした。

そして、この1月は十分すぎるぐらい、その実力のほどをみせつけられました。とても充実した一ヶ月でした。11月に新開地で観た劇団花吹雪もすばらしい劇団で、私の中ではこの二つの劇団が双璧になりました。だから、1月におなじ大阪でこの両劇団が公演していたのには、ほんとうに困りました。身体はひとつ、どちらかを選ぶしかありません。

同じジレンマを今年の5月にも味わいそうです。新開地が伍代劇団、朝日が花吹雪ですから。こういう人気と実力がトップクラスの劇団を同地域にぶつけるというのは、興行的には上手な策とは思えません。ある種の「社会主義」です。私の評価法が偏っているとつれあいは言いますが、私自身大衆演劇を40劇団以上観てきての評価です。もちろん、今まで観た大衆演劇の劇団で「あれ?」と思った劇団はわずか2つで、それ以外はどこもそれなりの素晴らしさがあったのですが、やっぱり芝居の実力となるとさっきの二つの劇団に落ち着いてしまいます。

この二つの劇団、歌舞伎を超えています。というか歌舞伎精神の原点を示してくれる劇団です。毎日、毎日新しい狂言を出し、なおかつ舞踊ショーを構成してゆくというのは、長い時間をかけての稽古の積み重ねの上に初めて成り立つ偉業です。なによりも座長の命を削る舞台への献身、そして座長を信頼し、支える座員の努力があってはじめて観客をうならせる舞台になるのだと思います。

観客動員数がどこの劇団も減ってきているように思います。杞憂だったらいいのですが。やはり不景気は大衆演劇界をも直撃しているようです。わずか1500円前後の木戸賃で日常を離れた世界が味わえるのです。コスパから考えればいちばんです。歌舞伎、宝塚、映画の料金よリ安い料金で、質の高い舞台が観られるのです。演劇の主流になるよう、応援してゆくつもりです。