yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

ジョン万次郎 1月18日

今朝のNHK番組で、アメリカ、ミネソタ州の小学校で、ジョン万次郎の伝記が子供たちの間で人気があると放映していた。なんでもミネソタ在住の文学者が書いた本だという。インタビューされた子供たち、異口同音に、「万次郎のように勇気を持って生きたい」、「困難にめげずがんばりたい」というような殊勝なことを言っていた。こういう素直さ、前向きの姿勢、やっぱりアメリカ人なんですよね。こんなに小さい頃から。

たしかに万次郎は偉大である。土佐出身の万次郎、鎖国中に漁に出て難破したところをアメリカ人船長に助けられ、彼の故郷のフェアヘイヴンに落ち着き、そこで教育を受けて、のちに日本に帰国。それからは開国を迫られていた江戸幕府の通訳として、アメリカとの交渉に尽力した。

私は彼を助けた船長の家を訪ねたことがある。フェアヘイヴンで毎年10月に開催される万次郎フェスティバルに誘われて出かけたときのことである。ちょうどブラウン大学に研究員で1年間滞在していた1992年で、ロードアイランド州の日本人会の人たちが車を出してくれた。小さな町が賑わっていて、アメリカの「お祭り」を初体験した。

日本史の教科書でならった人が突然身近に感じられた。というのも船長の家の展示物が非常にリアリティがあったから。彼が読んだ本なども展示してあり、無学文盲の万次郎がいかに貪欲に知識を得ようとしたのかが分かったから。アメリカ人船長はその意味でも恩人なのである。

「万次郎」を必要としているのは、アメリカの子供たちよりもむしろ日本の子供たちなのかもしれない。この時代の閉塞感は子供にも及んでいて、明るい夢を語る子供が減っているのが現実である。そうい子供たちに、若干14歳で荒波に放り出された万次郎が苦学して学問を身につけ、それを武器にして世界の外交官と渡り合ったことを知ってもらいたい。