yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

エドモンド・ドゥ ヴァール著 バーナード・リーチ論 1月16日

日曜美術館の徳田八十吉展についてブログに書いたことから、先日にこれまたNHKの「世界ふれあい街歩き」という番組がイギリスのコーンウォール地方をとりあげた中 でバーナード・リーチについての言及があったのを思い出した。

この番組、食事をしているときに何度か行き当たった(それ以外でテレビをみることはあまりないので)。とてもユニークな企画で感心する。他局ではこういうのはないだろうから、さすがNHKだ(?!)。数回しか行き当ってはいないけど、どれも面白かった。

コーンウォール地方は一度訪ねたかった場所だったので、番組途中から最後までみてしまった。文学作品の舞台になることが多いのに、何度も英国に行きながら一度も行ったことがなく、想像は膨らむ一方だった。

この番組中、(やらせではないとおもうけど)老婦人のあとをついてゆき、アーティストがよく集まったという家の女主人に出会うところがある。その折にナレーションでリーチへの言及があった。この地方にはアーティスト・ヴィレッジがあったことは何かの本で読んだことがあったけど、実際の場所が映像になっているのはちょっとした感激だった。リーチもセント・アイヴィスで晩年を過ごしたから。

リーチについて検索したら、リーチ論、それも「問題作」(物議を醸したという意味だろう)を発表したエドモンド・ドゥ ヴァール(Edmund de Waal)という人物に出くわした。原著書(St. Ives Artists: Bernard Leach) をアマゾンに注文した。

また、彼の最新作(The Hare with Amber Eyes: A Hidden Inheritance ) が、彼の一族とその家宝とされてきた日本の根付とのかかわりを描いたたものであるという解説 を読み、これはキンドルで注文した。これだと今すぐに読める!

英国の陶芸家でもあり美術評論家でもあるこのヴァールという人とその一族、その姓から判断できるように英国のネイティブではない。なんでもロシア出身のフランス系ユダヤ人ということである。一族の歴史は謎とロマンに満ちたものである。

著者エドモンドの一族、The Ephrussis家はオデッサからパリにやってきた一族で、1870年代には一家の長チャールズが貿易で巨額の財をなし、プルーストとも交流があった。彼の情熱は日本の根付収集に注がれたが、ナチス時代にそのほとんどが消失した。メイドが隠し持っていた根付がエドモンドの手に入ったのをきっかけに、まさに「失われた時を求めて」、彼は自分の先祖が暮らしたヨーロッパの各地を訪ね歩くという内容のようだ。

まるで推理小説をよんでいるようなわくわく感がある。今から読んでみる。