yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

『ソーシャルメディア維新』

オガワカズヒロさんの最新の著書である。

昨日書店で買って読んだ。副題は「焦るグーグル、迫るフェイスブック」。章構成は以下の通り。
1.世界最強のグーグルが恐れを抱くフェスブックの正体
2.フェスブックを中心としたソーシャルメディア企業群の動向
3.ソーシャルメディアに寄生して成長する新しいEC--ソーシャルコマース
4.次なる10年ヘーーソーシャルメディアはリアルとウェブの融合を加速させるか

これだけで、大まかな内容の見当はつくだろう。

もっとも面白かった部分は第3章で、フェイスブックと物流とが結びつく可能性、そしてその将来の形は「目から鱗」だった。

日本でも例えば楽天で何かを買う場合、レビューでのレビューワーの評価を重視する人は多いと思う。レビューワーの楽天での履歴は彼/彼女たちのハンドル名をクリックすれば分かる。趣味が似ているレビュワーを見つければ、その人の評価を基にして、失敗したり失望したりしないショッピングができる。もちろん「食べログ」でもそういうやり方でお気に入りのレストランを見つけ出すことは可能である。これをソーシャルなつながりであるフェイスブックに組み込むサービスがイーコマースなのだ。ソーシャルメディアであるフェイスブックがイーコマースと結びつけば、より信頼に足るレビューをピンポイントで見つけ出すのが可能となる。

さらに、イーコマースの新しい形として「グルーポン」が紹介されている。これはアメリカで2007年に始まったベンチャービジネスで、加入者がグループを組むことで、クーポンサービスの恩恵を受けるというものである。その10位までが紹介されているが、1位は「フェリーでシカゴの建築物を見て回るツアー」だそうである。正規の料金25ドルが12ドルになるというのだ。グルーポンでクーポンを購入したユーザーが所定のクレジットカードで決済するとメールが送られてくるので、そこに記載されているURLに入り、クーポンを印刷し、それを店舗に持参して割引をうけるという仕組みである。いかにもアメリカ人好みのサービスだが、日本でもヒットするだろう。

そして、ここが肝心なのだが、そういった「グルーポン」情報がフェイスブックにたびたび紹介されているのだそうである。つまり、フェイスブックと結びつくことで、ビジネスチャンスがより確実に広がるわけである。

グーグルが今までタッチしてこなかったところを押さえるサービスを、フェスブックは提供できる訳で、それがゆえに「フェイスブックがアクセス数でグーグルを抜いた」という事実にグーグルはimmuneではいられないのだろう。

まだスタートして10年に満たないグーグル自身がより若いサービス体に脅威を感じているという現実、まさに日々が闘いなのである。これを「面白い」ととるか、「大変」ととるかで、その人の行く先がある程度見えてくるように思う。