yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

愛京花座長、長谷川武弥座長率いる長谷川劇団

お芝居、舞踊ともに第一級のものをみせていただき、感謝です。

お芝居は『女の一生』で、文豪フロベールの同タイトルのものと同じく悲劇でした。

芸者小糸には夫がいたが、二人の間にゆきという娘が生まれてからは目が見えなくなっていた。小糸はその「手術代」をなじみ客に頼んで得た5円を夫の清吉に渡す。しかし目がみえないのも、手術もすべて彼が不倫相手のお竜と一緒になるための芝居だった。清吉は小糸のなじみ客を刺殺し、その横に小糸の簪を落とし、彼女を無実の罪に陥れる。小糸は捕まり、刑に服す。8年の刑期を終えた小糸が帰ってくると、娘はお竜から虐待を受けていた。清吉は小糸に実際は自分がお竜と諮って彼女を陥れたと告げ、彼女を追い返そうとする。小糸は娘を連れて帰ろうとするが、清吉に阻まれる。怒った小糸はお竜を刺し殺す。その場にやってきた清吉の兄はすべてを見て取り、小糸の罪を被ろうとするが、小糸は潔く警官に捕まって連れて行かれる。娘のことを清吉の兄に頼んで、娘の名を呼びながら雪の降りしきる中を去ってゆく小糸。清吉は改心した様子でそれを見守っている。

最後の子別れの場面、すこしくどいかなと思うほど「たっぷり」と演じられました。でも京花さんの演技力が並外れているので、納得しました。最後の場面をのぞけば、この劇団のお芝居は旅芝居風というより新派に近いと思います。だから『唐人お吉』(26日です)や『残菊物語』も見ごたえ充分な舞台になるのは間違いないでしょう。

京花さんの舞踊は立ちは凛々しく、そして女形は色っぽくて最高です。今までにこれほど上手い女優さんをみたことはありません。女性版「梅之助」なんて、勝手に評価しています。

武弥さんの女形、ちょっと異様(いい意味です)でステキでした。立ちにも同質の異様さがありました。京花さん、武弥さん、そして副座長の桜さん、みなさん両性具有的な魅力を発揮して、そのきわどさにワクワクしてしまいます。

特筆すべきはゲストの片岡長次郎さん(三代目)でした。今は引退されて九州でダーツバーを経営されているらしいのですが、もったいない!押さえのきいた舞踊でしたが、九州演劇の真骨頂を観た気がしました。