yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

2011-01-01から1年間の記事一覧

文楽『鬼一法眼三略巻』@国立文楽劇場10月29日昼の部

この演目、それも「菊畑」の段は歌舞伎で観たことがあるが、文楽では初めてである。歌舞伎でも文楽でもこのような通しで演ることは珍しいと思う。通しで観て、やっとこの源氏の再興にまつわる話の全体像が掴めた。歌舞伎では「奥庭の段」とよぶ「菊畑」を観…

「アマゾン減益」のニュース

『アマゾン7〜9月期、大幅減益で株価急落』のニュースがあちこちでアップされている。当期の純利益は73%減とのことで、これはかなり厳しい。でもこれは佐々木俊尚さんがツウィッターされている通り、デジャヴュなんですよね。新端末のKindle FireはiPadに対…

「検証なきメディアは価値がない」に同感

今日のツィッターで拾った話題でなるほどと思ったトピックの一つが、「ブロガーズ・ネットワーク翼」からの記事、「検証なきメディアは価値がない(マスメディアは人から腐る・2)——ネット劣化は検証しない人が作る」で、*1ツィッターでの情報が誤解の連鎖を生…

アイザックソンの伝記に描かれる高校生時代、大学時代のジョブズ

伝記を書いたアイザックソンの文章はとても品があって、ジャーナリスト臭くない。そしてなによりも文学的だ。ジョブズというたぐいまれな人の人生を綴るというのは、とても重いことだったに違いない。ジョブズが自分の生涯の記録者としてアイザックソンを選…

『スティーブ・ジョブズ』("Steve Jobs," by Walter Isaacson) Kindle 版を読み始めた

帰宅してキンドルを開けたら、もうレリースされていた!早速読み始めた。初っ端からめっぽうおもしろい。彼はジョブズ夫妻に養子に出されたのだが、その折に大学院生だった母、ジョアン・シンプソンが出した条件が彼を将来大学に進学させるというものだった…

義太夫『女殺油地獄』in 「にっぽんの芸能 芸能百花繚乱『義太夫の魅力』」NHK eテレ

この文楽公演は4月10日に国立文楽劇場で観て、このブログでも記事にしている。ただ、読み返してみるとあまりきっちりとは書いていない。観劇する場合、文楽公演はかなり体力がいる。たいていは大夫の床のすぐ傍に席をとるので、大夫さんの全身全霊を傾けての…

アイザックソンによるジョブズの伝記

ウォルター・アイザックソン著『スティーブ・ジョブズ』は10月24日に世界同時に発表されることになっている。私も買うかどうか迷ったのだが、昨日Kindle版を注文した。というのも、内容にジョブズの本音に当たる部分がかなり赤裸々に書かれていることを知っ…

プラハの国際学会

提出していたプロポーザルが通ったので、論文本体を早めに仕上げなくてはならない。今年の3月にも国際学会でプラハに行ったけれど、それとは母体は同じ(interdisciplinary Net)である。英国のオックスフォード大学に本部を置いて、毎年複数の分科会が年次大…

光森忠勝著『市川猿之助、傾き一代』新潮社 2010年

17日、ホテルをチェックアウトしてから新橋演舞場の歌舞伎公演昼の部までに時間があったので、銀座の教文館書店に立ち寄った。ずっと以前、歌舞伎座に通い始めた頃、キリスト関係の出版社兼書店の教文館が銀座ど真ん中にあるのに驚いたものだけど、毎度立ち…

『一心太助』in 芸術祭十月花形歌舞伎@新橋演舞場10月17日昼の部

伊丹へ帰る羽田発の飛行機の便を午後5時にしていたのでさいご20分を見損ねている。ANAの宿泊と航空便とがセットになったチケットだったので、便を遅らせることができなかった。終演が3時45分なんて「遅い」ということを推測できず、大失敗をしてしまった。こ…

「この世の名残 夜も名残ー杉本博司が挑む『曾根崎心中』オリジナルー」NHK eテレ

昨日、10月16日という日はおそろしくいろいろな「出逢い」のあった日だった。銀座アップルストアに始まり、新橋演舞場での『小栗判官』、そしてホテルに帰ってからのNHKのこの番組だった。これらすべてが私の人生の一コマを確実に刻んだと実感できた一日だっ…

アップルストア銀座10月16日(日)

この日は日曜日だったので銀座通りは歩行者天国だった。もちろんアップル銀座点の前には献花がいっぱいで、iPhone4Sを求める人が行列をつくっていた。私のようにここに哀悼の意を表しにくる人も多くいた。2週間前から私のiPhoneの写真機能がダウンしているの…

『當世流小栗判官』in 芸術祭十月花形歌舞伎@新橋演舞場10月16日夜の部

とにかくもう脱帽!これで亀治郎のファンになった。きわめて知的で、それでいてカワイイ人だというのがよく分かった。シャープな方だというのは、写真のその目から察せられたのだけれど、それがちっとも「冷たく」ない。なんともいえない愛嬌がこぼれている…

大塚英志著『伝統とは何か』ちくま新書、2004年

最近何冊か読んだ「伝統」を扱った本の中でいちばん面白かった。というか学者らしくない切り口が、いかにも大塚英志らしくて、その知的好奇心が少しも衰えていないことが分かってうれしかった。さすが大塚英志、「伝統とは何か」を探るのに米アニメ短編映画…

コブリン×ザンデルリング:ザ・ロシア@兵庫芸術文化センターKOBELCOホール10月14日

どちらも私には初めてのアーティストである。指揮者のシュテファン・ザンデルリングさんは1964年生まれの46歳、ピアノのアレクサンダー・コブリンさんは1980年生まれの30歳で、お二人と比較的お若い。また今回初めて兵庫芸術文化センター専属の管弦楽団を聴…

ジョブズはなぜいつも黒タートルネックセーターにジーンズなのか

通勤途中でTwitter記事を読んでいたら、佐々木俊尚さんのTweetにおもしろいのがあった。なんでもジョブズのメガネフレームは福井の小さなメーカーの製品だそうである。彼がアップルを辞め、NEXTに関わっていたころに、自分の秘書に直接日本に電話させて100フ…

ミシェル・ウィリアムスが My Week with Marilyn でオスカー候補に?

久しぶりにアメリカ映画のサイトをみていて、ミシェル・ウィリアムス(Michelle Williams)情報に行き当たった。なんでも彼女が主演したMy Week with Marilyn での演技でオスカー候補にノミネートされているという。授賞式は来年、2012年2月26日に開催される…

宝塚の阪急百貨店

宝塚市中央図書館は阪急電車の清荒神駅前にある。神戸に住んだ折にも、西宮に住んだ折にも公共図書館に近い住まいだったので、宝塚に3年前に転居してきてから図書館が近所にないのが悩みの種だった。というわけで10月に定期券が更新されるのを機に定期券を…

萩原朔美監修『山鹿八千代座ーー玉三郎華麗に舞う』NTT出版1993年

古書店に頼んでいた本が先ほど届いた。以下である。 11月4日に八千代座に玉三郎の舞踊公演を観に行くので、その下準備もかねて買い求めたのだ。先日のこのブログの記事にも書いた通り、永石秀彦さんの写真集『八千代座」(海鳥社、2001年)も先日別の古書店か…

松岡正剛の千夜千冊ーー里中満智子 『女帝の手記』

松岡正剛さんの守備範囲の広さにあらためて感服した。2006年4月13日の記事である。私たちは正剛さんを読書案内人にもったことの幸運に感謝すべきだろう。毎日一冊のペースで緻密な分析を施したレビューを書くなんていうことは、普通の人間には到底不可能であ…

ミッシャ・マイスキー、チェロコンサート@兵庫県立芸術文化センター、KOBELCOホール10月7日

来日前に演奏を一緒にするはずだったバイオリニストの奥様が肩のけがで来日できなくなったので、曲目が変更になった。ブラームスのピアノ三重奏曲がバッハの無伴奏チェロ曲とチェロソナタに差し替えられた。マイスキーさんの画像。 最終的には以下の曲目にな…

アップルのジョブズさん死去

勤務先へくる途中でTwitterを開けてたら、トップにこのニュースがあった。アメリカのビジネス紙のニュースで、そうこうするうちに、日本の人たちのTweetがあがってきた。立入さんのtweetによればすでに9月9日に亡くなっていたのを、アップルが発表を控えてい…

Jobs died at the age of 56

According to World Business Today. I tweeted some minutes ago. Feeling so sorry about that. What a loss!Now we know that "iPhone 4S" means "iPhone for Steve.

スラヴォイ・ジジェク著 How to Read Lacan (邦題:『ラカンはこう読め』)

今日梅田に出たついでに紀伊国屋書店に寄った。思想のコーナーで目に飛び込んできたのがラカンはこう読め!作者: スラヴォイ・ジジェク,鈴木晶出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2008/01/30メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 216回この商品を含むブロ…

週間ダイアモンド「アメリカで今、失業するということ」by 長野美穂

電子版のこのレボート、9月30日の記事である。6ページにわたって、リストラに合った人たちのいくつかのケースの実態が浮かび上がってきて、そのリアリティにことばが詰まる。 米国経済の抱える問題として、失業率の高止まりがあるのは、よく知られていること…

永石秀彦写真集『八千代座』海鳥社

芸能史関係の本で絶版になっているものをネットの古書店ネットワークに注文したのだが、そのうちの一冊がこれだった。中をみて、美しさに圧倒された。予想外だったのは英文の説明もついていたことだった。これはその筋の外国の研究者には垂涎の的になること…

山本哲士著『現代思想の方法』ちくま文庫

大衆芸能史について書きたいと考え始めてから久しい。このあたりで文章にまとめておきたいと考えている。手持ちの関連書籍もいくつかあるが、情けないことにきちんと整理をしていない上、以前の関心の対象とずれてしまったこともあって、数がそろっていない…

にっぽんの芸能 芸能百花繚乱『細川の血達磨』:「染五郎 気迫のスタジオ歌舞伎」NHK eテレ

演目は「細川の血達磨」だった。もう、あまりにもツボでコトバがない。いろいろな新しい試みーーそれらは大衆演劇の優れた劇団がすでに採っている芝居への新アプローチだがーーがみられた。講談師の語りに合わせて演じられたこと、火事の場面での火(映像)…

伊藤大輔監督 映画版『明治一代女』

大衆演劇で『明治一代女』を観て以来、次の国際学会にはこの作品で発表をしようと考えていた。3月プラハでの学会だけれど、プロポーザル提出期限が9月末なのに、まだできていない。この記事を書き終わったらつづきをして、今日の午後には提出するつもりで…

『加藤秀俊著作集』中央公論社

加藤秀俊さんの著書は『メディアの発生』以来2冊読んだのだが、ぜひこの全集を全巻揃えたいと思ってきた。ばら売りはあったのだが、それだと巻によっては重複してしまうので、なんとか全巻一緒に入手したかった。いちばん読みたかったのが第4巻、「大衆文…