yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

小鼓方の成田達志師が仕切る「伝統芸能体験鑑賞 はじめての能」@千里市民センター 大ホール 2月9日

大ホール等人の多く集まるところでの開催、コロナウィルスが心配で行くのをよそうかと思ったのだけれど、ギリギリで決心、出かけた。本当に参加させていただいて良かった!こういう能解説プログラムの中では出色だった。この形式で、色々なところを回れば、能人口は飛躍的に増えると思う。

「知って楽しい能のあれこれを、案内人がご紹介します」というのが謳い文句。案内人を務めるのは幸流小鼓方の成田達志師。

10分遅刻で、ちょうど大鼓、笛、小鼓の合奏が始まっていた。曲は『安宅』中の「勧進帳」部分。演奏は当然のことながら、トップレベルのものだった。

演奏後に成田達志師からの「解説」があった。大鼓担当の河村大師へのインタビューがそれに続いた。小鼓と大鼓との楽器の違い、また打ち方の違いがよくわかる解説だった。初めて知る「知識」もあった。大鼓の皮は6回程度の公演でダメになること(これは以前に亀井広忠師の解説の場に立ち会ったので知っていた)、さらには楽屋には早目に入って、鼓に張る皮を火鉢で乾燥させるなんて、全然知らなかった。 

そのあと、謠と太鼓の「一調」の演奏があった。シテ方の味方玄師、そして太鼓方の前川光範師によって演奏された。鳥肌ものだった!曲は「野守」。続いて成田師による前川師へのインタビューが。これ、聞き応えがありました。「やっぱり!」と感じた尻から、「うそ!」となりました。私個人としては、前川光範師は将来人間国宝になられると確信しています。

そのあとなんと、能装束の着付けの公開が。味方玄師が舞台に登場(ここまでやられるとは、頭が下がります。感動でした)、この後の舞台、『羽衣』の装束、冠をつける。着付け作業を担当されるのは河村晴道。着付けながらの「解説」に目を瞠れる。装束はきちんと糸で縫いとめられると知り、かなりのショックを受けた。また、着付けの細部がとても新鮮であると同時に、驚きの連続。河村晴道師を中心に三人がかりでの着付け、感動的ですらあった。「これを目撃できた方は幸せ!」に尽きる。こんなチャンスは滅多にありません(断言)。

最後は半能の『羽衣』。役者は以下。

シテ     味方 玄

笛      斉藤 敦
小鼓     成田達志  

大鼓     河村 大
太鼓     前川光範

 

地謡     河村晴道  (もうお一人の方)

個人的には『羽衣』の最終部が好き。それをこのメンバーで演奏するとは!まさに垂涎もの。ワクワクしながら見ていた。