yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

軽妙な動きが楽しい林宗一郎師の舞囃子「乱」in 「秋の杉会囃子大会」@京都観世会館 10月14日

この「乱」は『猩々 乱』の一部分。私見では能作品の中では屈指の面白さ。能は敷居が高いと思っている人にこれを見せたら、認識が変わると思う。

宗一郎師は真面目なお顔で、でも「やるぞ!」といった感じが伝わってくる勢いある舞を魅せられた。めくるめくような多彩な所作、動き、どれも、難易度が高い。酔っ払った猩々が浮かれ舞うという設定なんですからね。飄々と、でも微塵も狂いなく流れるように舞を決めなくてはならない。見ている側は猩々のひょうきんさに引き込まれ、存分に興じることができるけれど、演じる側は大変だと思う。つつっと爪先立ちで舞台を周り、その間に首を左右に振るところ、最高におかしい。それが何度も繰り返される。見ていて飽きない。ひたすら楽しい。お若い宗一郎師、所作、動きのキレが抜群。完璧な乱れ舞だった。

お囃子も賑やかで、まさによっぱらい猩々を煽り、囃し立てる。社中の笛を担当された方も、楽しんで演奏されたと思う。以下に演者の方々をアップしておく。

大鼓     山本哲也

小鼓     曽和鼓堂

太鼓     前川光長

笛      嘉瀬景子

地謡     分林道治 河村晴道 古橋正邦

例によって「銕仙会 能楽事典」より「あらすじ」と「舞台の流れ」をお借りする。

<あらすじ>

唐土の楊子の里に住む高風が夢の告げに従って市で酒を売り、富貴の身となりました。また不思議なことに、誰とも知らない者が高風のもとにやって来て、酒をたくさん飲むが顔色が変わりません。その者は名を尋ねられると海中に住む猩々と答えました。高風が夜、潯陽の江のほとりで酒を壷に満たして待っていると、猩々が姿を現し、舞を舞います。

 

<舞台の流れ>

猩々(シテ)が「下リ端」のうき立つような囃子に合わせて、海面に浮き現れ、高風に出会えた嬉しさを謡います。
秋風が吹きつけますが、猩々は寒さを感じていないようです。
めでたい酒を温めて汲んで飲みましょうと猩々がうながします。
空には月や星が輝いています。


猩々は酒盛りをしながら酔い、「猩々舞」を舞い始めました。
芦の葉が擦れ揺れる音は笛の音のように聞こえ、打ち寄せる波の音は鼓の音。澄んだ音楽の音色が浦風に乗って響き渡り、秋の季節にぴったりと合っています。

酒に酔った猩々は、波に戯れるように舞を舞います(「乱」)。

 

ワクワク感満載の能『猩々』、最初に見たのはDVDの観世寿夫師の能だったけれど、シテの猩々が酔っ払った体で踊る様にすっかり魅せられた。ケラケラと笑いながら見ていた。次に見たのは山本能楽堂での山本章弘師のシテの舞台。こちらも目一杯楽しんで、記事にもしている。