yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

「野崎村」(@歌舞伎座四月公演)がNHKのBS放送にかかっていた

今年の四月歌舞伎座公演は、猿之助の「黒塚」と巳之助、児太郎、壱太郎、それに澤瀉屋主要面々がうち揃った「平成代名残絵巻」以外は、まったく食指が動かなかった。残りは大御所・幹部の出番の多い演目。これじゃ高い遠征費を使って東京まで出かける気にもならなかった。

今日放映されたBS放送「野崎村」を見て、私の判断が間違っていなかったと確信した。歌六の久作はさすがだったし、時蔵のお光は華があったけれど、雀右衛門のお染はいただけない。お光・お染の配役は逆の方が良かった。とはいえ、演技力と華の点では時蔵の方が雀右衛門より数段上なので、こういう配役に落ち着いたのだろう。

無理に役者を「はめ込む」から、こういうことになる。お染を米吉、児太郎といった若手に割り当てても良かったのでは。松竹が仕切っているので、幹部外しはできないのかもしれない。そこをなんとか考えて欲しいと、願っている。これだと、見る前から「退屈で面白くない」ことが予想できて、観劇を敬遠してしまう。

もっとも、海老蔵が主たる公演から排除されているのは、松竹の判断だろうから、それは評価したい。あのような「ヤタケタ」役者を看板にしなくても、実力派の猿之助、幸四郎、中村屋兄弟、巳之助、児太郎、壱太郎、(尾上)右近、隼人、梅枝、新悟、歌昇といった若手がキラ星のごとく揃っているのですからね。それで幅広い観客は呼び込めるはず。むしろ新しい観客層を開拓できるはず。実際にそうなっているんですよね、うれしいことに。

「実力のある若手の出番が多いとチケットは完売」という興行成績が、それを如実に物語っているのでは?(魅力のない)幹部連の出番が多いと、当然興行成績は悪いはず。もちろん松竹はそこを承知しているのだろうけれど、過激な手段を採れないんでしょうね。それを承知しての繰り言です。